久々に健康診断に行ってきた。原宿の裏通りの住宅街にある人目につかないクリニックだった。中はガランとしていて病院と言うよりは会議室に近い雰囲気で、それぞれの部位を計測する機器が整然と並んでいた。それはお笑いの舞台のセットのようにも見えたし、トーマスデマンドの撮るイミテーションフォトグラフのセットのようにも見えた。全てが効率化され、ほぼ待たされることなく全ての検査を終えた。身長だけがなぜか縮んでいたので、もう一度測り直してもらった。
終日後、結果が届いた。オールAを叩き出したその報告書に僕は歓喜した。学業でオールAというものをとれなかった僕にとって、この結果は大きな意味を持つかもしれない。人は何かひとつくらい自慢できることがあったっていいはずだ。長くも短い人生の過程で、満点を叩き出したものがたとえ最大限に効率化された健康診断であっても。
その日、ひとりビールで小さな祝杯をあげた。
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