ラスクを床にぶちまけた後

金曜日。午前中は家で仕事をして、午後からミーティングを兼ねてアシスタントの作品を見るためにスタジオへ。二人とも光るものと切れるものがあって、どこか心に刺さるというか引っ掛かる写真を撮っていた。「属人的なのはダメで、天才がいなくなったら続かないから、誰もが回せるシステムを作る、とよく言われる。それは工業ならそうかもしれない。だが知的、芸術的な現場においては、システムももちろん必要とはいえ、天才がいなくなったら、血眼で次の天才を探すのが基本である」という千葉さんの言葉をたまたま見かけて、今の状況に重なると思った。それが郵便的解釈であったとしても。事務所に戻ると誰かが持ってきたラスクがあって、食べようと袋を開けたら盛大に床にぶちまけた。砂糖と硬い小麦粉のくずを集めながら、東京を出ることを考えていた。日が暮れてから千葉行きの電車に乗った。