昔好きだったファッション写真家が珍しくJWAVEだかのラジオ番組に出ていて、タイムシフトで放送を聞いた。学生の頃からDJをやっていて、よくプレイしていたクラブと同じビルにファインアートのギャラリーがあってそこで展示ができたというようなコネクティングドッツの話や、師匠と同じ仕事をしたくないがためにあえて撮影ジャンルを変えてみたら、そこでの仕事が評価されて、結局やりたかった仕事から逆オファーがくるようになったとか。20代の頃その写真家のアシスタントに応募するくらいにファンだった身としては、知らない話を聞けて嬉しかったし、歳をとったからこそ話せることもあるのだと思った。結局その写真家には付けなかったものの、付いていたら出会えなかったオルタナティブがあって、今自分はこうして生きていることを思うと不思議と後悔や悲しさはない。もちろん、付けていたら今とは全く違うまた別の人生があったのだろう。夕方、撮影の打ち合わせを終えて焼き鳥屋のカウンターで一人飲食してそのようなことを考えた。店員たちは焼き鳥を焼きながらずっと夏らしさについての話をしていた。スイカ、きゅうり、花火。
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