こちらで僕が過去に撮影した写真をみていたら、一枚が目に留まった。
ああ日付が入っている。
つまりこれはビッグミニで撮ったものだ。
2016年に撮られたものらしい。
ローカルサーバーの2016年11月にタイムトリップ。

そうだそうだ、中目黒を歩いていると、顔見知りのモデルに出会って、少し話をして別れ際に写真を撮ったんだった。
なぜコレが僕の目に再び留まったのかは分からない。
今フィルムで撮影していないから、この感じが新鮮に見えたのだろう。
日付、チープだけれどしっかり映る感じ。首からいつもぶら下げていて、出会い頭に、話をしてパッと撮る感じ。結構近くでも全身映る35mmの感じ。
思い出した。
当時そういう写真を撮りたくて、僕が行き着いたカメラだった。
コンタックスは重すぎるしカッコ良すぎる。ライカは更に重いし無敵過ぎて怖すぎる。一眼レフは遅いし重いし論外。
いつも首からぶら下げて、かっこよくなくて、おもちゃのようにチープで、でもしっかり撮れている。
ビッグミニ以外にそんなカメラが今あるだろうか。
二人の写真をきっかけに、その周辺を漁ってみる。
2016年11月、それはどんな季節だったのだろう。

レンズはおそらくガラスだけど、その全面にプラスティックのカバーが付いているので、逆光だとこうハレて滲んでくる。
ただの草むらなのに、ヴァージン・スーサイズ的ドリーミー感出ている。
ビッグミニは女の子だけじゃない、男子でもしっかり撮れる。

撮影の仕事で会って友達になったフランクリン。今はロンドンでフォトグラフィーの勉強をしている。きっと彼は素晴らしいフォトグラファーになる、確かな根拠もなくあの時強くそう思った。

この頃合いの35mmレンズのフィルムカメラって、結構歪曲するんだけど、ビッグミニはこんなに直線が出る。
さすが小さな巨人、建築写真だってなかなかいけちゃう。
90年代の化石みたいなものだけれど、日本の写真史を語る上でも外せないカメラだ。
ヒロミックスでその名が世界に轟いたけれど、荒木さんや、ホンマタカシさん、藤代冥砂さんだってビッグミニで撮っていた。
海外でもそのフォロアー的フォトグラファーに人気がある。
デジタル時代には抗えず、もう誰も使わなくなってしまったけれど、bigminiで撮られたみんなの写真がこの世に残っているということが嬉しい。
フィルム写真は、スキャンじゃ全くダメで、かつデジタルディスプレイでの鑑賞には向いていないというのが現時点での僕の結論。
フィルムで撮影して、タイプCプリントして、ギャラリーか家に飾らないと全くその意味が無いということ。
商業写真で使うと、100%嫌がられる、今ではとても悲しい存在。
撮ってる時はフィルムの方が最高に心地良い。
しかし、同じデザインで、ビッグミニデジタルが出たらきっと買ってしまうと思うな。
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