Bruce Weber と Mario Testino

世界を率いるフォトグラファーのブルース・ウェーバーと、マリオ・テスティーノが合計28人のモデルとアシスタントにセクハラ容疑で告発されました。

昨年のテリー・リチャードソンに引き続き、新年早々またきたかという感じです。

年末のNewYorkTimesに掲載され、世界中のいろんなところで話題になっています。

御存知の通り二人はゲイですから、90年代に仕事をしていた男性モデルとアシスタント達から一斉にです。

ムーブメント感がありますね。

ブルースの弁護士は「不適切な接触は一切無い」と否認しています。

これに対し、VOGUE編集長兼、コンデナストのアーティスティック・ディレクターのアナ・ウィンターは、これらの告発を重く受け止め、今後近い将来、彼らの新作写真をウチで扱わないかも。と言っています。

更にコンデナストの規約も厳しくなり、新ルールとして

・18歳以下のモデルは起用しない。
・撮影中は酒禁止
・モデルをカメラマンやヘアメイクアップアーティストととスタジオで二人きりにしない。
・ヌード系シュートの時は撮影前に詳細と合意の上行う。

という4つを設けました。

どれもまあ当たり前といえば当たり前ですけどね。

日本ではマーケットの違いにより18歳以下のモデルは禁止されていません。むしろ割合多いくらいです。
実際懸念点は沢山がりますが。

二人とも僕みたいな世代にとってはヒーローのフォトグラファーだと思います。

同世代でポートレートやファッション写真の人だと皆彼らの写真を観ているし、少なからず影響を受けていると思う。

テスティーノはゴシップも絶えずに、まあ写真も完璧で、人柄がなんか面白くてシリアスで笑える時があります。(本人には失礼ですが)

ブルース・ウェーバーは好きですね。

随分写真集も集めましたし、エディトリアルもチェックしていました。

僕らの場合少し後追い世代ですが。

彼実はダイアン・アーバスと親交があって、リゼット・モデルのワークショップで写真を勉強しているんですね。
1980年のブリティッシュヴォーグで華やかにデビュー。

その後はあのカルバン・クラインの男性下着の広告で、世界に大きな印象を付けました。
ちょうど80年代が性開放、女性解放、ゲイの権利運動と重なっていたのも大きかったです。それまで、男性のヌード写真って実は世に出ることがほとんどありませんでした。(撮り続けていた写真家はいたけれど)
そういう意味で、インパクトが大きかったのです。

ブルース・ウェーバーの偉大さというのは、そのような80sの空気感を上手くアンダーウェアの写真で表現したことにあります。それまでクライアントやエディターが強いイニシアティブを握っていたのが、フォトグラファーのオリジナリティとディレクションにより裁量を委ねるようになりました。(そういう意味では日本のシステムはまだ80年代。完全に時代遅れです)

ブルース・ウェーバーが登場した後は、全ての広告写真、ファッション写真がブルース・ウェーバーのような写真一色になりました。

今回の件は残念ですが、歴史的な写真家であることは間違いありません。

記事の中でもう一つ、テスティノについて興味深い部分があります。
グッチのクリエイティブ・ディレクターのトム・フォードが「彼はこれまでのセクハラ告発者にとても同情的で共感的だった」

そして、さらに加えて

「彼は気をつけていた。もしフォトグラファーがベッドの上でモデルの顔を撮影しなければならない場合、よく見えるアングルは限られている」

撮っている側として、これはとても良くわかります。

事件の真偽は不明ですが、撮影の実際に関しては難しい問題です。

人を撮影する場合、ある程度プライベートな領域に踏み込む必要があるので。でないと、全然おもしろくもなんともない写真になってしまう。

今後告発が続き、世界からファッション・フォトグラファーが誰もいなくならない事を祈っています。

改めて見返すと、やはりテスティノはポートレートの人だなあ。

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