宇宙へ行ったカメラ

 

昨日、7月30日に北海道にある宇宙ベンチャー企業「インターステラテクノロジズ」のロケットが打ち上げられました。国内初の宇宙空間到達を目指しましたが、目標の高度には到達できませんでした。

僕は以前からこの情報に関しては注視していたのですが、参加もしていないのに、飛ばす前からワクワクする感じを共有していました。そしてロケット発射の映像をニュースで見た時、なぜだかとても感動しました。ロケットを打ち上げるというのは、ひとつの大きな概念的な話でもあるからです。まだ人類が手軽に手にできないものだからこそ「打ち上げる」ということを身近には感じない。ゆえに、それは夢や希望に溢れ、大きな勇気と力を与えてくれるのです。

この宇宙事業はご存知の通り、堀江さんのプロジェクトのひとつです。

到達よりも、データが取れたことが重要なのでしょう。
インターステラテクノロジズの設立が2003年なので、10年以上も開発・実験を繰り返しています。諦めずにやり続ける姿勢は美しいです。次は成功すると思います。

この宇宙の話から、僕は、宇宙へ行ったカメラのことを思い出しました。

初めて宇宙へ行ったカメラ、ハッセルブラッド

ハッセルブラッドはスウェーデンのカメラメーカーで、1962年にNASAの宇宙飛行士ウォルター・シラーが初めてロケット内に持ち込んで撮影したカメラです。

当時彼は、量販モデルの500cとPlanar 80mm f/2.8を購入して、自ら少しの改良を施して、マーキュリー計画時のロケットに携行して写真を撮影したとされています。

それ以降、アポロ計画で撮影された主要な写真は、ほぼこのハッセルブラッドを使って撮影されています。一度のミッションで1500枚から2000枚程撮影されました。当時はフィルムなので、なかなかな数だと思います。

使用された理由としては、まず耐久性が上げられており、太陽光の中では120℃を超え、日陰はマイナス65℃という過酷な条件下で使用できること、砂ホコリゴミなどで壊れない堅固性がポイントとなったようです。

またマガジンが独立しているため、宇宙空間でのフィルムチェンジ等、操作性も採用理由となっています。98年のディスカバリー号にはカメラ5台にレンズ各種、そしてマガジン50個が積まれていたそうなので、地上でフィルムを詰めておいて宇宙では交換しなかったのかもれません。

ハッセルブラッドを使ってみて

僕も2014年から2015年くらいにかけて、ハッセルブラッド503C/Mを使用していました。

nami by hasselblad
ハッセルで、なみちゃん

宇宙だけでなく、地上でもファッションや広告写真界の花形的カメラだったので(フィルム時代の為過去形とする)、過去の偉大な写真家達への憧れもあったと思います。フィルム写真ブームに伴い、もちろん現在でも人気があります。

ロバート・メープルソープにニュートン、サム・ハスキンス、アヴェドンも使っていました。(アヴェドンは「写りすぎる」と言ってローライの方を好んだようですが)僕の好きなグレッグカデル先生もハッセルです。日本人だと、最近の木村伊兵衛賞受賞作家の石川竜一さんなどなど。

実際に使った感想としては、シンプルな機構、中判カメラなのに程よいサイズ感で、ツァイスレンズなので写りが良い。そんな感じです。昨今のデジタルに比べると、道具としての完成度が非常に高いです。ただし、ミラーチャージをしないままレンズ交換すると、シャッターが切れなくなったりと少し癖もあります。レンズ、本体、フィルムマガジンに分解されるので、壊れた場所によって代替できるのが楽です。そしてシャッターの感触と音は、とても心地よいです。

その他に特徴としては、上からファインダーを覗く機構になっていることです。カメラマンがこのように撮影している場面を見たことがある人は多いと思います。豊川悦司主演の「今度は愛妻家」(2010)という映画があるので、これで堪能できます。慣れるまで時間はかかりますが、この機構のお陰でウェストレベルの撮影が可能になります。視点が変わるだけですが、これだけでも写真が随分変わることに気づくはずです。

もうひとつ。フォーマットが正方形である、という点が最も大きな特徴かもしれません。これは今、インスタグラムによって随分当たり前になりましたが、写真は35mm判が2対3で、その他6:7や6:45等と長方形が主流です。正方形のフォーマットは、何でも収まりが良い分、人物などで画面構成するにはなかなか難しいフォーマットです。これはまさに、地球のような球体を撮るには、うってつけのフォーマットかもしれません。

ブローニーフィルムも、ハッセルも今では使わなくなりましたが、道具の心地よい記憶と、写真だけは残っています。

堀江さんのロケットが有人飛行になった時、どんなカメラが積まれてゆくのでしょうか。気になるところです。

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