前回のビッグミニの記事に引き続き、コンタックスT2のエントリーを。
フィルムカメラブームもあってか、カメラ関係の記事は人気がある。
特にこのコンタックスT2は過去にトキマルブログでも幾つか問い合わせを頂いた。
コンタックス最高級のコンパクトカメラとして、1990年にデビュー。当時の定価は120000円。38mmF2.8のゾナーレンズを備えており、オートフォーカス、ポイントアンドシュートでサッと出してサッと撮れる、しかもとても良く写るということで人気を博した。
使用写真家は、ライアン・マッギンレー、テリー・リチャードソン、ユルゲン・テラー、サンディキム、新田桂一、奥山由之等。特にファッション写真家たちの使用が目立つ。38ミリという曖昧な距離感が、人物を撮るのにも、風景を撮るのにも最適で、やはりコンパクトというところがその理由だろうか。
どこでも持ち運べるその携帯性は、ドキュメンタリーテイストのファッションやポートレートを撮影する時に威力を発揮する。
2012年頃は中古カメラ店に行けば2万円程で程度の良いものがゴロゴロ転がっていた。
それはまさにフィルムブームが始まった頃で、現在は中古価格の高騰が目立つ。
僕も当時はライアンやサンディに憧れて良く使っていた。
2012年、コンタックスの年。
その年にT2で撮影した写真を幾つか掲載する。







フィルムはコダックだったり、フジだったり。
だけれどツァイスレンズの色乗りはさすが。
フラッドヘッドのフィルムスキャナでこれだけでるのだから、手焼きをした時は興奮するほどのトーンを得られる。
スキャナーはこちらを使用した。
思えば、2012年は日本をあちこち転々としながら、仕事の撮影をした年だった。
震災の気分を引きずっていたので、僕としては東京を離れ、様々な土地で、様々な人々に会いながら写真を撮ることができたのはとても良かった。
そのような環境に身を置けたことを、とても幸運に思う。
長野、山梨の山々、牧場から、栃木、京都、奈良、福岡、鹿児島。富士にも何度か登った。
仕事用のカメラと共に、いつもこのコンタックスT2をポケットに入れて、光や人に導かれるままに撮った。
フィルムで撮ると、現像まで写真を見ることが出来ないので、とてももどかしい。
しかし、そのもどかしさは、セレクト時に冷静な判断をもたらしてくれる。
撮影とセレクトにタイムラグがあるということは、フィルム写真の大きな特徴の1つであり、その理由から現在でもフィルムを意図的に使用する写真家は多い。
デジタルのスピード感に慣れてしまうともう元には戻れないけれど、やはりたまには良いものだなと思う。
なんというか、ハートウォーミングな、そんな2012年だったのかもしれない。
余談だけれど、T2ってTokimaru Tanakaなわけで、もうその名称から僕のためのカメラだと思って使用していました。

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