フライパンを買い替えた。
ミニマリストは買い足しではなく、買い替えで所有アイテムをアップデートするのが基本だ。
何かを買うことは物を増やすことになるから、もし何かを買ったならば今まで使用していたものを売らなければならない。(そしてだいたい売っても値打ちにならないようなものばかりだから、結局捨てることになる。できることなら誰かに譲りたい。)
終わりもラスボスもいない、アイテム屋での売買に特化したつまらないロールプレイングゲームを繰り返す。
もうそれがミニマリストだと言っていい。
フライパンにおいては、これまでの人生、ティファール→ マイヤーと使ってきた。
両者ともテフロンの優れた製品で、そのサイズ感と佇まいから直近で使っていたマイヤーは結構気に入っていて、かれこれ7年程使用した。
テフロンにしては、よく持った方である。
サイズ感もひとり暮らしには最適で、IHもガスもいけるところが、数回の引っ越しに耐えた理由だと思う。
ステンレスでなかなか美人だし。
しかし、7年間のテフロン生活は緩やかだけれど着実に崩壊に向かっているのは目に見えて明らかだった。
そこで「よし、鉄に挑戦してみるか」
という、誰にも称賛されないような鼻息ながらの意気込みと共に、フランス製のマジなデバイヤーを手に入れた。
これこそ、ミニマリストでフォトグラファーのためのフライパンだと思った。
ストイックでハードコア。何かを焼く為だけに作られた原始的な性格を備えたまま無表情に佇む永遠の時を生きる美しき工業製品。
興奮しすぎて、何を言っているのか自分でも良くわかっていない。
テフロンの害を気にする必要はないし、ガシガシ使えて、メンテナンスを適宜行えば一生使うことができる。
もしも僕に子供が生まれたら、死に際に手渡して、次の世代に引き渡すことだって可能だ。(もらった息子は随分困惑するだろうけれど)
何より、肉が、魚が、野菜が、とても美味しく焼ける。フライパンでこんなにも違うものかと、最初は驚いた。
上の写真は、油慣らしをして、もう数週間日々使用した状態。油の皮膜ができて、随分使いやすくなった。
もうこのフライパンに既に愛着が湧いている。
こんな袋に入ってくる。
中の説明書とオフィシャルサイトを参照しながら、最初の儀式を行った。
オフィシャルのこの動画が凄くて、デバイヤーの魅力を制作工程から調理まで余すことなく表現している。
肉を焼く音で鉄製の素晴らしさが伝わる。しかし、このバックグラウンドミュージックのシリアスさは。
料理好きにはぜひオススメしたい。
毎朝の目玉焼きもフレンチスタイルで楽に楽しく焼けています。

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