パンデミックの境界を探る

パンデミックが始まってから、最初にマスクをつけたのは誰だろうと思って、過去のライブラリを辿ってみた。そこにはマスクとマスクでない世界の境界がはっきり現れている、なんてことはなかった。花粉の時期で誰もがマスクをしているから。2020年2月21日、夜。いつもの仲間と渋谷のバーにいる様子が撮られている。客は同じだが、スタッフも店の内装も今とは異なる。そして2月28日。シェアオフィスのミーティングルームでマスクをして自撮りしている自分がいる。その夜は家でステーキを焼いて、さつまいも、にんじん、キャベツ、オクラ、ピーマンの備え付けと共に食べている。そして2月29日の夜、ラップトップに映る安倍さんの緊急記者会見を複写していた。これを境に、僕の中の何かが終わり、そして新しい何かが始まったと言えるのかもしれない。それらを写真によって紐解いていく作業が求められている気がする。誰が求めているかはわからない。しかし、その近辺を境に変ったのはおそらく僕だけではないはずだ。昨日の山行のダメージが残っていて階段の上り下りが辛い。午前中に書類仕事と納品作業をした後は、もう何もせずゆっくりした。曇りのち雨の日曜日だった。