こんにちは、常丸です。
年末ですが、いかがお過ごしですか。
今日は2017 A/Wのファッション写真を、僕がお世話になってる編集者ケネスリチャードに習ってサクッとまとめてみます。
ファッション関係や、フォトグラファーの皆さんは忘年会での「フォトグラファー当てゲーム」にでも使ってください。
Saint Laurent
フォトグラファーはCollier Schorr。B&WのディレクションとスタイリストAlastair McKimmというコンビは崩さず。ディレクターはNathalie Canguilhem。ショーとシンクした映像もクールでした。
chloe
クロエはCharlotte Walesが撮り下ろし。レトロシック5,60sを得意とするフォトグラファーで、その色はここでは控えめだけど、クロエのブランドトーンとうまくマッチしている。
celine
今期セリーヌは、おなじみJuergen Teller、テラー先生。Anne-Sophie Monrad と Binx Waltonの存在感を見事にとらえています。ヨーガンテラーの写真は、誰が見たってヨーガンテラーだとわかるからすごいですよね。つまり日本でパクっている人もすぐにわかります。
gucci
グッチもフューチャリスティックなレトロシック回帰。キューブリックだったり、日本の特撮物も入っているかも。
撮影はGlen Luchford。巨匠の色が発揮されています。ルッチフォードの写真って、28とか35ミリでドキュメンタリーテイストが特徴なんです。ここではもうフィルム(映像)の方が勝っているかも。アートディレクターはChristopher Simmonds。マックイーン、バレンシアガ、JWアンダーソンなどメジャーファッションブランド御用達のプロダクションです。
tom ford
トムフォードはMario Sorrenti。マリオソレンティ兄さんが出てくると、何も言うことはありません。素晴らしい完成度、頭に残るビジュアルです。スタイリストもおなじみAlastair McKimm。
helmut lang
ヘルムートラングはEthan James Greenが撮り下ろし。ロンドンのトップエージェンシーMAP所属です。最近ここは一番勢いありますね。ロンドンでメジャーになり、すぐニューヨークで成功して稼ぐという黄金パターン築いています。
良い意味でマークボスウィックの写真みたいで、90年代回帰。つまり黄金期ヘルムートラングっぽい。
carven
今期カルヴェンは、ロンドンの写真家Jack Davison。前回のサッセン同様のディレクショントーンは維持しながら、マイナーチェンジ。”作家系写真家起用”というところが最近のカルヴェンの傾向。
Isabel Marant
Isabel Marantは今期も同じみInez & Vinoodh。インパクト強いです。前回のサンローランのメイク系を引き継いでいるのは、ディレクションマターかそれともイネズ達の方向性か。メイク系フォトも、ファッション写真のトレンドですね。まあ昔からあって新鮮味はそんなにないのですが、イネズ達が撮るとあら不思議。
DIOR
ディオールはBrigitte Lacombe先生。最初ウィリーの撮影かなと思ったけれど、意外にBrigitte Lacombeでした。
ポートレートの写真家然とした、リチャードアヴェドントーンと、インディゴブルー衣装がベストマッチしています。
それらをまとめているのはFabien Baron。強いディレクションが入ると、ビジュアルも崩れませんね。
valentino
そしてヴァレンティノはDavid Sims。モデルのコンプカード(コンポジット写真)の体裁で作られた紙面は、実名入りでユニークなデザインが目を引く。一目でわかるデビッドシムズのポートレートが、彼以外のキャスティングでは成立しないと思えるほどの完成度を見せている。そしてパロディーの流れで余すことなくヴァレンティノの気分とアイテムを視聴者にリーチ。
以上。
久々に僕の本職に近いところ、ファッション写真の記事を。
こうしてみると、まだまだ昔ながらの大御所フォトグラファーたちが多くのポジションを占めているのがわかります。
でも確実に、ワールドキャンペーンも、スチルよりもムービーのほうが面白くなってきている気がしますね。
中島みゆきではありませんが、時代です。
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