こんにちは、トキマルです。
先日Adobeより、新しいLightroomがリリースされました。
実際これ、どう変わったのか。使いやすいのか?メリットは?
今までライトルームを作業ベースにしていた方は気になっていると思います。
2日間軽く触ったので、プロから見た視点でレビューしてみます。
結論先に言うと「プロでも愛好家でも、デジタル写真をメインにしている人には結構いいかもね」です。
どう変わったのか
まず今までの「Lightroom」が、「Lightroom Classic CC」へとアップグレードされました。
そして同時に、全く新しくリリースされたのが「Adobe Lightroom CC」です。
つまり、過去のライトルームの単なるアップデートではなく、全く新しいソフトが生まれたということ。
これがまずややこしい。
今までコレクション管理していた人にとっては、移行が非常に面倒です。
なので過去のLightroomと共存させていますが、僕が思うに、しばらくするとLightroom CC一本になるんではないでしょうか。
クラウド化する世界の流れには逆らえないですからね。
プロの多くが数テラバイトの写真を扱うので、今はまだスピードや容量やコストに問題がありますが、そこを超える時が近いうちに必ず来ます。
事務所や作業場に個人でサーバーを管理し、ネガやプリントまみれの”写真家の部屋”は過去のものになるでしょう。
ミニマルな写真家の時代です。
Lightroom CCの何が良いのか
1. クラウド化
先も述べたように、新しいLightroomは完全クラウドシステムです。
保存した瞬間に、アドビのクラウドにオリジナルファイル転送とバックアップが同時に行われます。
現行のCreative Cloudフォトプラン(980円/月額)にも新Lightroomは含まれているので、ダウンロードするだけで20ギガのストレージが予めついてきます。
オプションで10テラまでアップできるので、すぐに切り替えてしまうかもしれません。これで自宅でのサーバー管理が不要になります。もちろん仕事の写真はローカル数カ所に一時バックアップをとる必要があります。けれど、メインのバックアップをクラウド化することで、サーバーメンテの時間も無くなりますし、トータルで見るとコストもとんとんだと思っています。
ライトルーム上で編集した写真は、全てのデバイスに反映されるので、出先のiPhoneのアプリで管理・出力可能です。
家で編集しておいて、出先で納品可能。これはすごい。
インスタグラム等のSNSへのアップも、これまで編集→jpeg書き出し→AirdropやiCloudの同期を使っていましたが、全て不要になります。
PCと全く同じ状況で、どこでもライブラリ管理と写真編集ができる。新Lightroom 最大のポイントでしょう。
2. 超シンプルなインターフェース、だけれど痒いところに手が届く

僕のスナップを取り込んだ直後のトップの管理画面。グリッド上に写真が配置され、いつどこで何を撮ったのか恥ずかしいくらいに一目瞭然。これだけで、ひとつのギャラリーみたいになる。もちろん幾つかのビューに切り替えることができる。
これまで「コレクション」という名前だったものが「アルバム」に変わったが、同等の役割を果たす。
オリジナルの写真をそれぞれの場所から引っ張ってきて、アルバムを作ることができる。
アルバムは時に使用者により、プロジェクトでもあり、クライアントでもあり、旅先でもある。とてもわかりやすく親しみやすい。
編集・現像類は右側にまとめられている。
最初の設定ではヒストグラムさえ見当たらなかったが、View>Edit pannelsで表示することができた。
過去のLightroom同等のことは大体できる。それは合成等を伴わないレタッチ処理が必要でなければ、ライトルームで全て完結できるということ。アルゴリズムが変わったのか、各エフェクトの効き具合がとても程よく使いやすい。
トーンカーブは見当たらないが、元々ライトルームのトーンカーブは使い勝手が悪かったので、全く気にならない。
処理速度も快適で、サクサク動く。
3. 自動タグ付け
今回最も驚いたのはこれ。
Adobe Sensei(名前が。。)というアドビ独自のAIとクラウドシステムにより、写真が全て自動的にタグ付けされる。
これはアドビが提供するストックフォト「Adobe Stock」で長年培われた技術を利用している様子。
例えば、上のボックスにskyと入れれば、空を含む写真を全て表示してくれる。
これは怖いくらい。ネットワークによって、個々の写真家が撮影した写真が全世界で繋がって、ひとつにデータベース化されるということだから。
しかしとてつもなく便利だし、タイポロジカルだ。
極端に言えば、そこに「can」とか、「red」とか入れるだけで、同類の写真を集めてくれるので、それをまとめるだけで写真集や写真展ができてしまう。
またレーティングはもちろん、検索ボックス下にある「Cameras」タブも便利。
exifを利用して、カメラごとの検索ができるので、使用カメラの記憶を手がかりに過去の写真を探すことができる。
いつ撮影したかは覚えていなくても、その撮影でどのカメラを使ったかは、結構覚えているものだから。
まとめ
以上が初見で使用した感じです。
クラウドストレージ保存で安心、どこでも同じ編集ができ、シンプルな操作性で高機能な編集、自動タグ付けで検索簡単。
それだけで管理・編集・出力・納品と、仕事によっては全てのフローをLightroom CCだけで完結できる可能性を秘めている。
僕は、少し前に家のサーバーがクラッシュし、危うく10年分の写真を失いかけました。
また撮ればいいやと楽観的ではあったのですが、どことなく自分そのものを失った気分になりました。
それ以来、全面クラウド化を視野に入れ、Amazonやgoogleやappleのドライブを用いた写真管理運用方法を模索し始めました。
そんなタイミングでこの新しいLightroom。
ひとつのサービスだけに頼るのは危険ですが、Lightroom CCは写真に特化しているという点で、非常に使い勝手が良いと思います。
具体的な使い方や、ポイントが出てきたらまた書いてみます。
それにしても、世界の全ての写真が、米国資本に保持されているという未来を考える時、この世界と我々写真家の使命はどこに向かうのでしょうか。
写真家不要論を唱え始める前に、オルタナティブな写真の道を模索する時が既に来た気がしています。
アドビが公式ブログで記載していた言葉を記して終わりにします。
現代、世界はますますモバイル中心になっています。これは写真家も同様です。写真家はワークフローの中で、次の要素を優先します。
・写真作品をさまざまなデバイス間で連携でき、いつでもどこでも写真にアクセスできること
・直感的で、使いやすいツールを求めている(が、決して「単純化した」アプリではない)こと
・写真家としての腕を上げ、美しい写真を生み出し続けること
私たちは、写真を扱うすべての方のために、これらのニーズに対応する完全な写真サービスを提供します。
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