化石のように硬い撮影業界

新宿を歩いていると撮影隊に出くわした。タレントのスチル撮影で20人ほどスタッフが周りにいて、一人が通行人の誘導をしていた。雑誌にしては人数が多いのでおそらく広告だろう。同じ仕事をしておきながら撮影現場は人が多すぎると思う。なぜタレントひとり撮るのに20人も集まるのか。スタジオでも多いが街中だと通行を邪魔してしまっている。フォトグラファーとスタイリストとヘアメイクの3人だけでいいのに。何もしなくてただ立っているだけの人とか、何をやっているかわからないような人ばかりだ。とは言っても裏の事情を知っているのでそれぞれに役割があり仕事があることは知っている。そういう何もしない人がいるおかげで、僕たちの仕事ができていることも知っている。だけど、だけどだ、2022年なんだぜと思ってしまう。まるで昭和みたいで全くフューチャリスティックじゃない。古いシステムからの脱却ができずに、年数と現実が大きく乖離している。そういえば先日も、渋谷のうちの近くで動画ロケに遭遇した。その時はイージーリグを着けたシネマトグラファーとそれをサポートする二人がいて、少し離れたところにモニタとDITひとりとディレクターひとりという5人体制だった。こちらはおそらくMVのような気がした。街中ロケということを踏まえてもワンオペで回す動画現場の方が人数が少ないのは、動画機材が進歩してそれに合わせて業界のシステムも変化せずにはいられない只中にあるということなのだろう。グラフィック分野は機材が変わらないので、業界システムも化石のように硬直してしまっている。

そういうことを考えながら4時くらいには焼き鳥屋に入り、ささみとはつとレバーと砂肝と瓶ビールを注文した。撮影業界ではなく僕はむしろ飲食業界にいるんじゃないかという気がした。

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