波照間島をめぐる冒険より

波照間島にいる。この島にある西浜ビーチがずっと行きたい場所リストに入っていて、いつかいつかと思っていたのだけどその日は突然やってきた。なにせ石垣から唯一出ているフェリーは1日3本で、そのうち3回に1回は出航しないほどの欠航率で席数も限られる。行けたとしてもネット予約できないホテルばかりで滞在も困難、天気と波の状況によっては帰ってこれないことも多いと聞いていた。石垣滞在の前後のバッファと天気の状況と宿がうまく噛み合わないと上陸できない。今日も天候による出航未定の便で、出航の1時間前に決定が出る状況だった。かつ連休だったためにどの民宿も予約できなかった。他で情報を聞きつけていた無職のAと8件くらい宿をあたった後に最後の望みというところでなんとか一部屋確保してもらった。この旅はA無しには成し得なかっただろう。感謝している。そして島では西浜はもちろん、他のビーチも繋ぐように歩いて泳いで、夜は美味しい島の食事と不思議な人々、さとうきび畑のざわわな物語に巻き込まれていった。波照間島は国内で最も星が美しく見える場所でもあって、なるべく夜は光を発しないように島民全員が協力してこの環境を維持しているらしい。食事を終え、街灯もほとんどない真っ暗闇の道を宿まで歩くと上には満天の星があった。泡盛片手に他の宿泊客たちと庭に集まると、民宿の女将がレーザービームを用いて星の解説をしてくれた。子供の頃の天体観測のことを思い出して懐かしい気持ちになった。昔、八ヶ岳の麓で、ナイトハイクの時に見た夜空も素晴らしかったけれど、それを超えて波照間の空の黒は数段深く、星は鳴り続ける青銅楽器のように煌めいていた。