Categories
How to Photography

カメラマンになる方法まとめ

 

職業的に写真を撮り始めて、今年で10年目になります。

そのような自身の経験を元に、カメラマンになる方法をざっくりまとめてみます。

現在写真学科の学生や、これからフォトグラファーを目指す方の参考に少しでもなればと思います。

つぶやいた内容を目次に、それぞれ詳しく書いていきます。
表ではあまり言えない金銭的な部分や、業界の特性も記載した完全版を後日noteに執筆予定しています。

1、撮影ジャンルを定める

カメラマンになりたい、と思ったのであれば誰にでもきっかけのようなものがあるはずです。
撮りたい被写体、仕事をしたい媒体、憧れるフォトグラファー。
ジャンルは”定める”というよりも、そのような自分の趣向や好みから自然的に決定されると言った方が正しいかもしれません。
なので、この部分は心配することはなく、ジャンルに自覚的になるということです。

カメラの撮影モードに入っているようなものが、そのまま大まかな写真の分類になります。

風景・人物・建築・スポーツ・動物 などです。

それぞれの分野は更に細分化されており、各々専門とするカメラマンが存在します。

例えば、人物というジャンルの中にも、ファッションモデルを撮るカメラマンもいれば、著名人等のポートレートを専門とする人もいます。更にイベントやパーティーの取材やブライダル撮影も人物撮影に括ることができるでしょう。他にも動物を専門に撮影するカメラマンや、地鎮祭だけを撮影するカメラマン等、一般的に想像できないあらゆる撮影の仕事がこの世界にはあります。

2、その中のひとつを極める

誰でも、全く興味がないものからは入ることはできません。入ったとしても続けていくのが辛くなるだけです。

大きな分類は必然的に決定されるとして、ここで定めておきたいポイントは”どのフィールド(媒体)で仕事をしたいか”です。

これを予め定めておくことで、目標達成までの時間短縮になり、達成率が高まります。

雑誌やWEBで仕事をしたいのであれば、具体的にどの媒体で撮るのか。広告であれば、どの企業の何の広告を撮りたいのか。最初の段階でそこまで決めるのは難しいですが、おおまかに「これだな」と思ったものを、いつの段階でも掘り下げるという意識で活動していきます。

写真作家であれば、あらゆるジャンルを横断することが可能です。

しかし商業写真家は全く別物で、最初からあらゆるジャンルを横断して仕事をすることはほとんど不可能です。

例えできたとしても、中途半端になったり、本命案件でないものばかりが回ってくることになります。

なのでまずはひとつの専門を掘り下げて極めたほうが、カメラマンとして確立し易く、のちに様々な仕事を横断できるようになると思います。

3、スタジオ・直アシ・社カメ

カメラマンになるための具体的な進路として、まず写真学科のある大学や、専門学校で学ぶということが考えられます。

これは特に”写真作家(アーティスト)”を目指す人にとっては重要なポイントです。アカデミックに写真を学んでいるということが、ギャラリーに所属する際の採点基準になることはもちろん、現場以外の写真における体系的な知識を持っているかどうかが、作品制作に関係してくるからです。

国内外で活躍している写真作家の経歴を調べてみてください。もちろん例外はありますが、多くが写真学科のある大学で学士または博士を取得し、公表しています。

スタジオ、直アシ

商業カメラマンでも同様に、写真学校を出て→スタジオでアシスタント→専属アシスタント→独立、という流れは現在でも大きな割合を占めています。

しかしこの記事→21世紀版・カメラマンになる方法
でも書いたように、上記のようなスキームは20世紀的カメラマンモデルとして、今後古いものになっていくでしょう。このような流れに則らずに、カメラマンとして活躍する方がたくさん出てきているのが現状です。(商業写真への介入のハードルが低くなり、層が拡大した)

それ故に仕事観や、媒体も変わり、テクノロジーの進歩真っ最中ですので、写真の在り方そのものが問われる時代になってきています。
写真の在り方が問われれば、カメラマンの役割や存在もそれに伴い変容していきます。

社カメ

もうひとつ、社員カメラマンという働き方も並列してあります。

これは出版社や新聞社、メーカーやブランドがカメラマンを自社で抱えて制作しているケースで、カメラマンは会社員として固定給をもらいながら撮影ができます。カメラマンは不安定というイメージが付きまといますが、そういうのを嫌悪する人にとっては、サラリーマンカメラマンという道も選択肢として押さえておきたいところです。

時間的な拘束や、他媒体・ジャンルを行き来できないというデメリットもありますが、社のインフラや予算を使えたり、業績をキャリアとして蓄積できたりというメリット等、社カメでなくては出来ないことも多いです。

また最近では制作予算の都合で、企業内に内制チームを抱える企業も増えています。フリーのフォトグラファーしか撮れなかった海外資本のドメジャーなファッション誌ですら、内部チームで誌面を作っている状況です。

4、ポートフォリオ制作

カメラマンとして仕事をするには、自らを売り込まなければなりません。

売り込まずに仕事が来る方は稀で
・過去に写真賞の受賞歴がある
・著名なカメラマンの弟子である
・写真関係の家系で育ち、周りが関係者だらけ
という方です。

このような人以外は、写真を撮っていると公言しない限り、仕事はありません。
もちろん、上記のような環境にある人でも、自らをブランディングして作品を作り続けなければ(仕事をし続けなければ)長くは残っていけないと思います。

自分が撮っている写真をわかりやすくまとめたものがポートフォリオです。
ウェブサイトも同様の効果がありますが、ブック形式でディレクターや編集に会いに行くということは今でも根強く残っています。
ファイリングされた見易さという観点もありますが、エディトリアル能力や、物質としてのアウトプット力もブックなら見られてしまうからです。

ポートフォリオの作り方に関しては、コマーシャルフォト等が頻繁に特集していますので、ご参照ください。

ウェブサイトでのポートフォリオに関してはこちらでも書いています。
→9年目で実感した、カメラマンの営業方法

5、写真関係のイベントに顔を出す

写真展や、写真製品の発売イベント、写真家のトークイベント等に顔を出していると写真関係の人と繋がりができます。

先日二人の大御所のカメラマンの話しを聞きに、銀座の蔦屋まで出かけたら、友人の先輩カメラマンにばったり遭遇しました。何となく、〇〇さんもいるかもなぁと思っていた矢先だったので、嬉しさと可笑しさがこみ上げました。

写真関係のイベントに関わっていくと、仕事というよりも、同じ志を持っている方々との繋がりができるので、自分の立ち位置や撮っているものをより客観的に観れるようになります。カメラマンは、他のカメラマンがどのように仕事をしているか、案外わからないものです。仕事で「カメラマン二人体制」という現場はほとんど皆無の為、普通に仕事して生きているとカメラマンがカメラマンと出会う機会はとても少ないのです。(カメラマン同士の出会い系アプリ、”シャッター”なんてものを考案したいくらいに少ない)

そのように他の写真家や、業界の人が、どのようなことを考えているかを知ることは、仕事をする上でも大切な情報となります。
イベントに顔を出すだけで直接仕事に繋がるのは稀ですが、回り回って、仕事が発生することもあるでしょう。

6、WSやセミナーで最新情報を

好きな写真家のワークショップやセミナーに参加することは、とても役に立ちます。
特に、学校や短期講座に通う予算や時間の無い人にとっては最適です。
むしろ学校では学べないような実践的なことを、写真家のワークショップから学べたりします。

僕も最初の頃は好きな写真家のワークショップによく参加していました。
「インタビュー取材で撮影時間が3分しか無い時に、クリップオンのみで3種類のライティングを作り、いかに被写体(ここでは役者や著名人)とコミュニケーションを図るか」なんてテーマで実演、実習できるので、本当に役に立ちます。そのワークショップを受けた半年後に、実際同じような条件で仕事の撮影をするということもありました。

写真家によるワークショップはダイアン・アーバスやブルース・デビッドソン、細江英公や東松照明など、多くの写真家たちにより行われてきた歴史があります。そして現在でも実践的なワークショップが年中開催されています。

また写真家以外でも、メーカーや企業が開催するワークショップもあります。

こちらも店舗を持つ写真店(東京であれば、銀一や、ヨドバシカメラ、マップカメラ等)で定期的に開催されています。
カメラメーカーやソフトウェアメーカーの最新機器や情報に触れることができます。最近は機材やソフトウェアのアップデートサイクルがとても速いので、メーカーや企業が主催するワークショップはそのような最新情報をキャッチアップするとても良い機会となります。

駆け出しの頃だけでなく、プロとして既に活動している人でも、このような場所で自発的に学び続けているカメラマンは強いです。
そして、そのような人は急な変化の波が来た時にも対応できるのだと思います。

7、撮影ジャンル見直し、更新

写真を続けていくと、自分が撮りたいものや、つくりたいものが変化していきます。
もちろん最初から目指すものがずっと変わらないというカメラマンもいるでしょう。
それでうまくいっている場合は、その路線をさらに強化していくというので良いのかもしれません。

ただ人間ですので、同じ仕事で同じものばかり撮影していると飽きますし、時代も変われば流行も変わるので自然に撮るものが変化するということになります。ここ10年の話しで言えば、雑誌は多くが廃刊したり、あるいは廃刊寸前で全く予算が無い状況が続いています。それに反比例するように媒体をウェブへ移行したり、C2Cの撮影モデルが流行したり、Eコマースが伸びていたりするわけです。

「時代の変化にも左右されないほど、強いキャラクターと色があり、俺しか撮れないものがある」というカメラマンでない限り、時代の変化に合わせて、自らも変わっていかなければ、商業カメラマンとしては仕事を続けていくことはできません

最初の章で考えたように、自分の興味に合わせて撮影ジャンルを新たにシフトして行くのも良いですし、全く別ジャンルや異なるフィールドに挑戦するということも生存戦略としてはありです。

ただその為にも、ブックやサイトを更新し、常に自らの写真に批判的かつ客観的になる必要があります。

人間の細胞は半年から1年という周期で新たなものに生まれ変わると言いますが、思考はなかなか生まれ変わらないのです。

8、10年続ける

カメラマンになるための最後のポイントは、上記の活動を繰り返しながら10年間続けることです。

業界の先輩には”10年やればカメラマンになれる”、と豪語する人もいます。これは少々乱暴に聞こえますが、あながち間違いではないと思います。

例えばあなたが写真学生だとして、同期の卒業生が300人いるとします。最初はスタジオなどで写真の仕事をして180人くらいがカメラマンを目指したとして、5年後まだ続けている人は100人くらいでしょう。そして10年後、現役でバリバリ撮影して活躍している、あるいは写真作家として活動できている人は20人にも満たないのではないでしょうか。

10年という期間は一つの物事を極めるのに程よい時間だと感じます。

同時に、10年続けられない(業界で生き残れない)人がほとんどなのです。それには他に興味が移ったり、体力的に耐えられなかったり、給与が安すぎて辞めたり、子供が出来て環境が変わったり、海外へ移住したりと様々な個人的要因があると思います。なので10年続けられた方はその経験と耐性により、その後10年もカメラマンとして生きていけるかもしれません。

ネガティブな言い方をすれば、10年カメラマンとして活動すると、他のキャリアに移行するのが年齢的にも実務的にも厳しくなります。特にフリーランスのカメラマンとなれば、企業にとっては10年会社員経験が無く、キャリア録上は”フリーターまたは無職”という扱いになるからです。(すべての企業がそうであるとは言えませんが)
なので、その後もキャリアチャンジが難しくなるので、腹をくくって、カメラマンとして生きていく他なくなってしまうというわけです。

僕もアシスタント時代、事務所の先輩カメラマンによく冗談込めて言われていた言葉があります。それは
「ときまる君、かたぎの仕事に戻るなら今のうちだよ」(ニヤリ)
そこには、もう私(先輩)はカメラマン以外の仕事は出来ないという意味合いと、僕に対する「本当に、写真で食っていく覚悟はあるのか?」との問いかけだったのです。カメラマンとして10年近く経ってしまった今では、この言葉の意味がよくわかります笑。

長くなりましたが、以上です。

10年続けてみて気づいたことは、写真が好きだということです。そして同時に”写真家たち”が好きです。
僕は、写真家たちのそれぞれの生き様みたいなものにいつも興味がある。
同世代の写真家や、20年以上やってる先輩や、死ぬ際なのに写真し続けているレジェンドたちにいつも勇気と力をもらっています。

10年もやっておいて、気づいたことはとても単純なことでしたが、経験から得られたこの気付きは実感としていつも心の大きな部分を占めています。飽き性の僕がここまで続けられているのも、腐れ縁的ではありますがひとつの相性の現れであると感じます。

今後も写真にあらゆるかたちでコミットしながら、今後カメラマンを目指す方々や写真ファンの方へ有益な話しを伝えることができたら嬉しいです。

最後にキース・リチャーズの言葉を。
「ロックするのは簡単だ。そこからどうロールしていくか、それが問題だ」



ご案内

twitter : @tokimarutanaka
instagram : @tokimarutanaka

トキマルとは?

ポートレート撮影します

インスタ写真販売しています