常丸です。
先日は花の写真についてのエントリーでした。
(参照:僕らが花を撮る理由)
今回は、室内で花を撮るための簡易的なハウツーをお送りします。
それも室内の自然光だけで、スタジオでライティングしたような白背景(バック飛ばし)で花を撮影する方法です。
このような仕上がりになります。
カメラマンだけでなく、花を趣味で行っている方や、デザイナーの方にもお薦めの簡単5ステップです。
それでは参ります。
1 セッティング
画伯のイラストご容赦ください。
カメラ側から見た図です。
窓越しのカーテンの前にテーブルをセットし、その上に花を配置します。
更に、カメラと花の間にレフを配置します。(無い場合はなしでも大丈夫です。)
カーテンはなるべく白色に近く、光を通すものがベスト。
太陽が差す条件よりも、曇の日の方が綺麗に光が回る傾向があります。
今回の写真も曇りの日に撮影しています。
2 カメラの設定
デジタルカメラを使用します。
フィルムでも構いませんが、仕上がりの雰囲気が変わってくるのと、後処理での追い込みが難しくなります。
今回使用したカメラはこちらです。
このブログでもおなじみシグマのDPシリーズ。今回は28mm画角の1の方を。
後処理前提での撮影なのでRAWで撮影します。
露出はマニュアル設定が出来るひとは、マニュアルで背景が少し飛んで、花の色がきちんと写る値に設定します。
マニュアルって何?の人は絞り優先(Aモード)にして、F2.8~F4、露出補正をプラス1.7〜2.7かけて調整します。その際、シャッタースピードが1/30以下にならないように注意します。1/30を下回る場合は光量不足なので、もっと窓際に移動するか、絞りを開放近くにするか、感度を200まで上げるかで対応します。シグマ以外のデジタルカメラ(ニコン、キャノン、ソニー)であれば感度200~1000で調整して大丈夫です。
3 現像
現像ソフトでjpegに変換します。
シグマの場合は専用のsigma PhotoPro
https://www.sigma-global.com/jp/download/cameras/sigma-photo-pro/
色が分かるくらいに露出を調整するくらいで、その他のパラメータは変更しなくても良いです。
現像後の写真はこのようになります。
この段階で既に完成に近く出てきます。これはシグマの特性でもありますが。
最新のSDでは随分マシになりましたが、グリーンに被る傾向が少しみられるので、ライトルームで最終仕上げを行います。
4 Lightroomで調整
使用するのはlightroomCCです。
参照:新しいLightroom CC
ハイライトとホワイトを足して、背景の白を飛ばしていきます。花に影響が無い値で調整します。
仕上がりのイメージにより、完全に飛ばす場合もあれば、意図的に残す場合もあります。
更にシャドウ側を少し締めて、トーンカーブで中間調を持ち上げます。
カーブでブルーのチャンネルを選択し、少し色を足してグリーンかぶりを抜きます。
明瞭度(クラリティー)を足して輪郭を出します。(コントラストはさわらない)
この時点で少し彩度が浮いてくるので、花の色を失わない程度に彩度を引いてバランスを整えます。
5 完成
左が現像後の写真で、右がライトルームで調整を施した写真です。
くっきりと輪郭とディテールが出て、後ろのカーテンが目立たなくなりました。
花弁の中心のディテールをもっと出すという選択もあったのですが、青の魅力を引き出す為にあえて潰し気味にしてシルエットと色の構成を狙ってみました。
また背景を完全に飛ばす場合は、ここから更にフォトショップで処理していきます。今回は白フチを付けての掲載を考えていたので、四隅に半端にグレーが残る値にしています。
簡単に楽しく撮れるので、ぜひ試してみて下さい。