もしスーツを借りなければ

電話がよく鳴る日だった。朝から仕事関係、保険会社、友人と立て続けに三本連絡がありタスク出しに取り掛かる頃には10時を回っていた。コーヒーを淹れ、日記を書いて、noteの原稿を書いて、礼服の予約をした。そう、友人の結婚式のスーツを結局レンタルすることにした。本気で私服で行こうとしていたけれど、やはり儀式には生半可な気持ちではいけない。そして良いことを思いついた。レンタル会社から宿泊するホテルに前日に直接スーツを送りつける方法をとる。そして現地から返却すれば、旅の道中はいつも通り手ぶら同然でいける。このスタイルがもしハマれば、僕は今後の人生でおそらくスーツを所有することはないだろう。アカデミーも木村伊兵衛賞の授賞式もレンタルスーツで行く。多くのレンタル会社がある中、検索で一番上に出てきたところを適当に選んだ。本当に何も持っていないので、ネクタイはもちろん靴下からベルトから靴まで全て付いているフルセットのやつを6000円で借りた。荷物の受け取りを依頼するために宿泊予定のホテルに電話をすると、予約が無いと言う。そんなことはないと、ブッキングしてくれた新郎に確認したら、別の友人の予定に合わせて田中も一泊うしろにずれていた。それで予約を変更してもらった。もしスーツをレンタルしなかったら、僕はその日スーツだけでなく寝床さえなかっただろう。所有しないことが引き寄せた幸運だと思うことにする。午後から世田谷で撮影。雨が心配だったが撮る頃には晴れた。その後焼き鳥屋にてチームで簡単な打ち上げ。のち、ナポリタンと野木広大も合流。久々の面子となった。解散して一人、近所のバーでシェリーのトニック&ソーダ割りで締め。某有名雑誌の編集者Mさんと遭遇。最近良く会う。3時就寝。

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