7月29日、金曜日。晴れ。芝浦でどうしてもタンメンが食べたくなり、電車に乗って向かった。夏休みのせいか街を行き交う人はいつもより多い気がした。電車の中では感染症対策にご協力くださいのアナウンスが流れている。そんな世界になって3年目である実感がない。そう思う時、ボストン出身のアメリカ人の友人が言う英語のフレーズがいつも頭に浮かぶ。the pandemic is messing up my sense of time. 最初聞いた時はネイティヴはそう言うんだとなんとなく感心した。ラーメン屋に到着するとお昼を少し過ぎた頃なのに、シャッターが半分降りていて、それは終了の合図だった。これを食べると思って出かけた時にそれが食べれないと落ち込む。34度くらいの太陽がジリジリと照りつける中、近くのビルの日陰に入ってどうしたものかと考えた。代替的なラーメン屋までは距離がありすぎるし、次の予定の時間もある。仕方なく近くの定食屋に入ってチキン南蛮定食を大盛りで注文した。出てきた瞬間にカロリー計算のために写真を撮る。チキン南蛮らしきものが写っていたが写真だけではただの何かの揚げ物にしか見えない。宮崎出身の友人なら、それはチキン南蛮ではないと言いそうなチキン南蛮だった。彼らはソースや甘酢に厳しいし、僕も宮崎に住んでいたのでその味を知ってしまっている。知らない方が幸せだというフレーズはチキン南蛮のためにあるのかもしれない。
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