映像のリアリティと残酷さ

YouTubeでミュージシャン達が白いスタジオで一発録りで音楽を奏でる「ファーストテイク」というプロジェクトがある。仕掛け人は博報堂の清水さん。まじめに見たことはなかったが今日はあるリサーチのために結構しっかり見てみた。深く語りたい気持ちもあるが、日記なのであまり重くはしたくない。単純に感じたのは、みんな大人になったな、ということ。YUIやゴスペラーズや布袋さんや奥田民生やいきものがかりやポルノグラフィティやMISIAやHYやアジカン。もちろん最近のアーティストもいるのだが、まるで時代が90年代で止まっているようで、同じことを繰り返しているようで、それでいて、アーティストの若作りが透けて見えてしまうのが何か悲しく切ない気持ちを引き起こした。もちろん、音楽は最高だし、このコロナ禍の閉塞された中での勇気づけのクリエイションという感じが出ているのだが、作り手たちの世代と、ターゲットの世代、そのような裏事情が沸々と浮かんで、同時に、自分も彼らと同じように歳をとったのだということを鮮烈に突き付けられる感覚。それが映像のリアリティであり、記録することの残酷さなのだろう。朝4キロを走ると、まもなく雨が降ってきて、じっとりとした空気が街を包んだ。夕方になるとまた晴れてきて、少し外を歩いてみたら、じめっとしていて風はぬるく、7月の夕刻に来てしまったような気がした。歳をとって大人になってしまったミュージシャンたちの像は変わらなくても、この現実世界は着々と変わっていて、日本の気候は90年代の気候とは全く違うものになってしまったようだ。どことなく、ようやく、東京はアジアになるのだと思った。

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