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Essay Photography

カメラロール

Tokyo 2016 iPhone

iPhoneのカメラロールに入っている写真ほど、興味深いものはないと思う。僕はほとんど毎日カメラを持ち歩くから、iPhoneで写真を撮る機会は少ないほうです。それでも、数えてみると今のiPhoneに6000枚ほどありました。アップルの現写真ソフトであるPhotosには過去のiPhoneからの写真がほぼ全て入っているから、それはもう膨大な枚数です。(iPhoneが日本で発売されてすぐに初代から使っている)

内容はだいたいがつまらないもので、食事とか、友人とか、モノとか、スクリーンショットとか。メモのために撮られたものが多いけれど、たまに何かを本気で枚数多めで撮っていたりする。僕の場合は、カメラで撮影したものをiPhoneに同期させて他メディアに上げるというのをよくやっているので、他で持っている写真と重複しているものが多々あります。これが容量をかなり圧迫している!手を付けようとしても、毎回途中で断念します。量が多すぎてね。

甘酸っぱいところで言うと昔の恋人もよく出てきます。恥ずかしいやつや、懐かしいやつや。女は過去の写真を消すけれど、男は残しておく、なんてよく聞きますが本当でしょうか?性別は関係ない気がするのだけれど、そのような研究をやっている人がいたら教えて欲しいです。

もう一つ甘酸っぱい系でいうと、オークションのために撮影されているモノです。わたくし、これが意外にも多い。手放したものたちということになるわけですが、一応商品撮影のフォーマットに則って、割ときちんとブツ撮りされているわけです。作品的価値は全くないけれど、よせ集めると何かしらの圧力を帯びてきそうな写真群です。「オークションに出品された私物たち」というタイトルでもつければ、少しコンセプチュアルに響きます。全てこれで写真展やったら、誰も来ないだろうな。でも石内都さんが撮っているフリーダカーロや、母の遺品とビジュアル的にはほぼ同じです。
35mm、手持ち、自然光。

写真とは本来プライベートなものであるということが、カメラロールの写真群を興味深くするのでしょう。人は半径5〜10メートルそこそこのものしか撮れない、写真の現場性みたいなもの。誰もがiPhoneを持ち歩くことで、記録することがますます容易になった。iPhoneで写真を撮っている個人の数だけ、人生の集積がある。

しょうもないけど興味深い、カメラロールの写真たち。

肌理と写真 石内都

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