めいこ

 めいこは服飾デザイナーで、主にアイドル等がステージで着用する衣裳をデザインし、製作している。銀座に生まれ銀座に育っためいこは、中学生の頃着ていた制服を、20代半ばになった今、普段着として着る。同じスタジオに手伝いに来てくれていて、二年程前に出会ったのだが、その時も学生服で仕事をしていて、数あるアシスタント達の中でもひときわ目立っていた。スタイリストのノリコ•タカハシは彼女を「日本の宝」と呼んだ。
 そんなめいこが作品展を開いていたので、足を運んだ。よく晴れた二月の日曜日で、駅前の歩道橋こそ撤去されていたが、それは未だに原宿だった。こじんまりとした白い部屋に、写真とドローイングとドレスがあった。
 アンダーグラウンドが好きな性分、この手の展示にはいつも胸高鳴る。キュレーションされて、ディレクションされて、名門ギャラリー・美術館での有名な作家の展示も良いが、どこか遠い世界の話に聞こえる時もある。その点、顔の見える作者により作られ、その手で今ここに飾られた作品たちは、向こう側からそっと話しかけてくるような親密さがある。
 曖昧な青色と、うねる線。一枚の絵をえらく気に入ってしまい、とても暖かい気持ちで帰りの原宿を歩いた。生みの苦しみを少しでも知っている分、アウトプットまで辿り着いたそれらの作品と、作者の精神にはいつでも拍手と敬意を贈りたい。パチパチパチ。

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