「モチベーション革命 稼ぐために働きたくない世代の解体書」尾原 和啓

 

著者の尾原和啓さんは、インドネシア・バリ島に在住しながら仕事をしている。

個人的に「バリ」というキーワードに惹かれて読んでみた。

今の30代以下の世代は、団塊世代とは全く異なる価値観で生きている。つまり僕達は、生まれた頃から全て何もかも揃っていたので、物や地位などを欲して頑張ることは無い。埋めるべき空白がそもそも無いので、本の中では「乾けない世代」と命名されている。

これには個人的に思うことが幾つかあって、1つは、フォトグラファーの渡米問題について。僕達より上の世代の職業的カメラマンは皆だいたい「渡米」している。そして、どういうわけか、必ず「帰国」して日本で仕事をしている。最近は誰も「渡米」しない。渡米していてもわざわざプロフィールに渡米なんて書かない。渡米することでカメラマンの価値が上がるということが無くなったからだ。むしろ渡米して、帰ってきていることは「負け」の宣言であり、かっこ悪いという価値観である。

二つ目は、僕の学部時代の音楽仲間である”佐々木ゆうし”がいつも言っていた言葉を思い出す。

「僕たちは、不幸で無いことが、不幸だ」

この言葉はまさに、生まれた時から「ないもの」が無いということの象徴であったと思う。彼の書く歌と、声は誰よりも輝いていた。ただ僕達が音楽を生み出すには、不幸である方が都合が良かったのに、不幸になれない不幸さがいつもつきまとっていた。あんなにも大きな声で歌ったのに。

心理学者のマーティン・セリグマンは人間の欲望を5つに分類する。

「達成・快楽・意味合い・良好な人間関係・没頭」だ。

団塊世代は達成と快楽を重視する。昇格して、酒のんで女の子と遊べればハッピー。しかし私達乾けない世代は、意味合い、人間関係、没頭を重視する。

やりたいことが無い人は、これから辛い時代になるだろう。

何かに没頭して、価値が生まれる時代であるから。「いくら稼げるか」よりも「仕事に夢中で時間を忘れていた」ことに喜びを感じるのだ。

「好き」を仕事にすることは、オンもオフも無い状態を差す。これまでは誰もが仕事と私生活を分けていた。仕事と私生活を分けることが辛くなる時代。というか不可能になっていく。これからは働きながら非日常の中にいる状態を作ることが大切になる。永遠に、非日常の中でオン状態であり続けるような。

今後は「ワークライフバランス」の時代ではなく、「ライフワークバランス」の時代だと言う。これについては落合陽一さんが言う「ワークアズライフ」の方がわかりやすいと思った。

両者とも意味合いは同じで、好きなことや得意なことであれば、いくら働いてもエネルギーが沸いてどんどん楽しくなるということ。逆に、仕事と私生活を分離できるような仕事は、AIや機械に取って代わるものだと言える。

これまで「稼ぐこと」の為に、特に好きでもない仕事をしてきた人は、働く「生きがい」としての価値はゼロに等しい状態である。ならば、引きこもって、ニートになってでも、一刻も早く「生きがい」を見つけるための投資をしたほうが良いだろう。平均寿命はどんどん伸びていくし、60歳で仕事を辞めても「自分の好き」がなければ、あと40年、50年が辛くなるだけだからだ。

また、シェアの文化は「乾けない世代」にとって有利である。自らの解釈を共有することで、既存のものに新たな価値を与えることができるからだ。君の名は、やシン・ゴジラに見られる上昇現象は、解釈付与/シェア文化の賜物であるし、それらに付随するマーケットも大きな広がりを見せている。

新しい価値は、一見、歪にも見える個人の「好き」や「偏愛」を深く掘り下げた時に生まれる。それらは私達「乾けない世代」が最初から備えている特権である。

好きなことを追求して、とことん掘り下げよう。そしてそれから、周りにシェアして、仲間を増やそう。

そんな感じ。

今キンドルだ版だとフリーで落とせるようになっています。

モチベーション上がらない人も、世代の離れた上司や部下とのコミュニケーションに困っている人も。読んでみて下さい。

キンドルはこちらで。



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