四年ぶりの大雪ということで、昨夜から東京の交通機関は麻痺しています。
景色は普段と変わり面白くなるので、写真的には良いのですが。
まあ、移動しづらいです。
雪でどうせ動けないので、個人的に気になった写真ニュースをサクッとまとめてみます。
蓮井元彦の展示とモトーラの啓示
写真が文学になってはいけないと思うけれど、それが日本の写真を牽引してきたのも事実。今更ハーフで、モノクロでモトーラで。商業的な香りもするが、個人的な体裁でもある。謎は深まるばかり。見て確かめるべし。
蓮井元彦個展「Deep Blue – Serena Motola」 https://t.co/sKem3eUzqv via @i_d_japan
— 田中 常丸 (@tokimarutanaka) January 22, 2018
蓮井さんが新たな個展を。
僕の考えるのはツイートの通り。
「第37回キヤノン写真新世紀」 にて佐内正史選による特別賞を受賞したのち、ファッション、カルチャー誌などを中心に活躍中のフォトグラファー、草野庸子が、『装苑』専属モデルとして、また女優としても活躍中のモデル、モトーラ世理奈を被写体にした写真集。https://t.co/ntzvuDSR7J pic.twitter.com/oluxmSf0nc
— ON READING (@ON_READING) January 22, 2018
そしてこちらは草野庸子さんがとるモトーラさん。
最近僕の周りでなぜか”モトーラ”という名前がマントラのように響いています。
これは何かの啓示かと思うくらいに。
Fumiko ImanoがLOEWEを撮る
双子とLOEWEと昼間の蝶々:fumiko imanoインタビュー https://t.co/SULGzkvcbY via @i_d_japan#LOEWE #fumikoimano
— Loewe_JP (@LoeweJP) January 22, 2018
Fumiko Imanoは初期から好きです。
日本人の両親を持ちながらブラジル生まれ・ブラジル育ちで、写真家というよりアーティストという存在。自らのアイデンティティの承認欲求をコアに、セルフポートレートの作品を多く制作しています。
LOEWEも好きなブランドで、今回のコラボレーションは両者の世界観と共にうまい方向にいってるなと感じました。
指揮をとっているのが、最近PARCOのビジュアルでもディレクションを行ったパリのM/M。そのメンバーにFumiko Imanoと若い頃からの友人がいたということで、軽いノリでオファーが成立。
キャンペーンビジュアルやカタログの撮影って結局そのパターンが一番多い。マイナーでも、トップのブランドでも共通して言えることだと思います。
ラフシモンズなんかも、学生時代の友人カメラマンとしか仕事しないし。
技術以上に、”繋がり”が大事なんですね写真で食べていくには。
アントワン・ダガタ今週来日
【今週日曜開催!】アントワン・ダガタ サイン会 がいよいよ迫って参りました!
ダガタ最新刊『Self-Portraits 1987-2017』、『Self-Portraits 1987-2017 Card Box Set』の2点を引っ提げて、ダガタ氏が超過密スケジュールの合間を縫ってナディッフにご登場頂きます!https://t.co/XNXMsixxF4— NADiff a/p/a/r/t (@NADiff_apart) January 22, 2018
ダガタ先生来ます。
2018年1月28日(日) 14:00―16:00 恵比寿のナディッフで。
サイン会という形式なので、彼の書籍購入が条件。
最近このパターン多い!
写真集は買わないけれど、その写真家に会いたいという人は僕のように沢山いると思います。
ちょうど最近こちらでダガタ先生に触れたばかり。
参照記事:フォトレビュー#8「落ちたらさようなら」
こんな不思議なことって起きるんですね。
なんか言ってれば、向こうから近寄ってくる。
発信が大事です。
2017年最も高値の写真はマン・レイの3.6億
2017年の写真部門オークション落札ランキングはマン・レイがグルスキーを抜いて一位に。
マンレイの作品は3.6億、グルスキーは2.5億と結構な差をつけて。
写真が現代アートの文脈に組み込まれて久しいが、ネットインフラのお陰で最近加速している印象。#写真 #アート #現代美術 #撮影
— 田中 常丸 (@tokimarutanaka) January 22, 2018
マン・レイの作品がグルスキーを抜きました。(クリスティーズ・パリ“Stripped Bare: Photographs from the Collection of Thomas Koerfer”より)
2位、グルスキーの写真はLAのランドスケープでした。
ちなみにアンドレアス・グルスキーはドイツのコンポラ写真家で、現在世界で最も高額で写真が取引されている人です。
だいたいオークションで写真一枚に、2億以上の値段がつきます。
その他高額取引されている写真家はリチャード・プリンス、ギルバート&ジョージ、シンディー・シャーマン、ゲルハルド・リヒター、ウォルフガング・ティルマンス。
ティルマンスは比較的若手なのですが、最近はすっかり現代美術写真に括られ、価格も上がっているようです。
20世紀アート写真ではマン・レイ、エドワード・ウェストン、ロバート・メイプルソープなんかが良く取引されている。これ実は20世紀系と、先に述べたグルスキーを筆頭とする21世紀コンテンポラリー系とにコレクター層が分類されていることが原因。
つまり2億くらいの作品を買う人と、1億以下でクラシックな写真を求める人がいるということ。
2017年の傾向が面白いのは、20世紀系アートフォトであるマン・レイが、グルスキーを抜いて1位になっているということなのです。
経済のグローバル化で、分断されていた両者のアートコレクター層が、混じり合う予兆とも見える。
盛り上がることを期待します。
金額だけが写真の全てではないのですが、時にアートの文脈で写真を考えることは、我々商業フォトグラファーにも必要です。
それは結局のところ、写真なのですから。
エディ・スリマンがセリーヌに
Hedi Slimane named artistic director of Céline https://t.co/xQ20u04NOM pic.twitter.com/wj5HDv1sIU
— Vogue.fr (@VogueParis) January 21, 2018
ファッションデザイナーの移籍騒動も最近では当たり前になりすぎて、全く驚かなくなりましたね。
みんなでいっしょに地球のファッション作っている感じがして良いです。ほのぼのと。
商業主義・経済だけが浮き彫りになり、どんどんファッションが面白くなくなっていく、という意見も一方では謳われていますが。
どちらにせよ、エディのデザインで、セリーヌが細っくならないと良いのですが。
(そうすると僕も着れる可能性出て来るので買いに行きます。)
Rineke Dijkstraがハッセルブラッド賞
【GLOBAL NEWS】ハッセルブラッド賞受賞展、リネケ・ダイクストラがとらえる女性の成長https://t.co/RTTjD0TarX
— IMA ONLINE (@imaonline_jp) January 16, 2018
昨年リケネ・ダイクストラがハッセルブラッド賞を受賞し、現在スウェーデンで個展開催中。
リケネの写真って、オンフラッシュの豪奢なセットアップのイメージが強いんです。(エディトリアルみてたからか)
でも一方でアウグスト・ザンダー的なタイポロジカルなポートレート作品が本来のシグニチャー。デビッドシムズの初期のフィルムの感じにも似ているし。
今でもハッセル使っているのか。会えたらそこを聞いてみたい。
ハッセルブラッドについてはこちらで書いてます。
参照記事:宇宙へ行ったカメラ
雪は溶けていないだろうけれど、窓から差す太陽が眩しいので、そろそろ出発しようと思います。
みなさまも足元には気をつけて、良い一日をお過ごし下さい。
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