「日本再興戦略」 落合陽一
教育、研究、経営、アート、ものづくりをすべてやっている人は日本に数人しかいない。その一人が落合陽一である。彼の知により練られた日本再興戦略が、多面的に語られる。この本の中にあるのは希望だ。日々テクノロジーは進歩してるのに、日本のシステムは戦後に作られたものを未だ使用しており、一行にアップデートされていない。ありもしない「欧米」という概念を未だに使いながら、様々な国の”良いとこ取り”をした結果、今全てが崩れ始めている。そこで彼は、古代の日本、あるいは東洋を再考しながら私達日本人に合ったやり方で、日本の建て直しを企てる。
テクノロジーがこれからの世界をどのように変えていくのか。自動運転、ブロックチェーン、5Gにより形成されるデジタルネイチャー圏。それらにより世界のあらゆるところに多様性が生まれ、人間の知性は個と全体の垣根を飛び越え、近代的人間性から超克される時代となる。
そのような新しい技術を伴った世界は、現在の日本で問題とされている少子高齢化や地理的状況の全てを克服していく。ネガティブからポジティブへの変換、もう全ては整っていて、準備されつつある。残すは私達、個々の意識と知識だろう。
個人の働き方から、政治、教育の重要性、コミュニティーにも言及し、読み終わる頃には明日を、いや、今を生きることが楽しくなり、希望に満ち溢れる。
「ポジションを取れ。批評家になるな。フェアに向き合え。手を動かせ。金を稼げ。画一的な基準を持つな。複雑なものや時間をかけないと成し得ないことに自分なりの価値を見出して愛でろ。あらゆることにトキメキながら、あらゆるものに絶望して期待せずに生きろ。明日と明後日で考える基準を変え続けろ」
日々の思考と行動が、必ず良い未来を作っていく。
落合陽一に影響されすぎて、黒い服きて、グミばっかり食べている。
必読だ。
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