昨日のダメージが深く残っていて起きるのが遅くなってしまった。飲むたびに自分を傷つけていて、二日酔いになり起き上がれないほど飲むこと、それは緩やかな死への強制的な切断として作用する。私たちは日々生きているようで、誰もが同時に緩やか死んでいるわけだが、起き上がれないほど酒を飲むことはその緩やかさを急速に展開させていわば止めてしまうような効果がある。言い換えれば、毎日必ず酒を飲んでいて休肝日を設ける術など知る由もない人が、二日酔いみたいなもので強制的に倒れると次の日は自動的に休肝日となるような。飲まない日ではなくて、飲めない日。そんな時、体はダメージを受けているが脳は覚醒していて妙な浮遊感が伴うので、不思議と集中力が持続する(ように思える)。おそらく気のせいだが。ヘミングウェイなどの一部の小説家がアル中だったりカフェイン中毒だったりするのは、そのような生と死の狭間の浮遊力を擬似的に作り出して、書くということに全振りで向かうためではなかったか。そのような浮遊力を少しばかり借りて夕刻、動画を一本作って、街に撮影に出て、わかめそばを食べた。夜中に仲間と次の冒険の旅程を詰めて、ホテルをブッキングした。
