リモート講義と沢木耕太郎

午前中は月に1回担当させてもらっている研修の講師の仕事。いつもは対面で行うが今日はオンラインで家からzoomを繋いだ。全く講師という柄じゃないのだがもっと歳をとれば講師感が出てくるのだろうか。それとも性質的な問題で、ずっとこんな感じなのかもしれないと毎回講義の度に不安になる。依頼されるのは有難いし、人前でひたすら喋るという機会もそうないので勉強だと思って毎回少し内容を変えたり表現を工夫しながら頑張っている。ボケは大体スベるのだけど今日はみんな優しいのか笑ってくれた。リモートの画面越しに笑わせるというのは非常に難易度が高い。

たまたま入った本屋で沢木耕太郎の「旅の窓」という本を見つけたので、手に取ってパラパラとめくった。沢木といえば「深夜特急」で、学生の頃インドネシアにフィールドワークに旅立つ前に全部通しで読んだ記憶がある。それ以来、バックパックな旅のモードには常に背後に沢木があるし、旅好きの多くがそうではないかと思う。それくらい強いインパクトをもらった。

「旅の窓」は写真付きのエッセイで、読んでみると、マジックアワーという夕暮れの時間に写真を撮ることや、フィルムの良さについて沢木が語っている。「旅の写真は記録写真であるから、僕の写真には日付が入るべきだが、入っていない。三脚も使わない。全てがスナップショットなのだ」というような言葉もあった。初めて沢木耕太郎の写真を見た気がする。どちらかと言えば記述に重きがあって、写真を撮るイメージが全く無かった。ほとんどが50mmで撮られていたことに、写真に対する真面目さのようなものが伺えた。僕もまたバックパッカーになれば、この日記ももっと面白くなるかもしれない。

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