走ることネスカフェのこと

電話の鳴らない静かな朝だった。カーテン越しの窓の外から鳥の声が聞こえて、電話の無い時代のことを思った。おかげでぐっすり寝れた。起きてヨガと瞑想をしてストレッチをした。その後一番近くのトレイルまで行ってTK from 凛として時雨を聴きながら5キロを走る。もう随分草木が茂っていて、所々走りづらい。あと2週間もすれば通れない小道も出てくるだろう。どちらかと言えば夏の日差しの強い時に、太陽を遮る木々の間を走りたいのに。走った後でシャワーを浴びている時、走ることは自分をリセットすることだ、という言葉が浮かんだ。ゲームを中断してリセットボタンを押すまさにあの感じ。またゼロから、今日から始めようという気になる。三日おきにリセットするなら、今まで積み上げきた自分の何かもゼロにされているのだろうか。それではゲームを一生クリアできない。いや毎回自分をリセットしながらやっていくのが人生なのかもしれない。そしていつの間にか死ぬ。今ここが最高で今この瞬間が永遠。息をして思考しているこの今。朝の一杯でコーヒー豆がちょうど切れた。それはネスカフェに移行の合図で、相対的にまずくなる悲しさと作るのが楽な嬉しさが共存する。それに加えてこの場所で、またあの言葉を使える喜びが今では加わった。ネスカフェゴールドブレンド。予測変換でなぜか「ネスカフェエクセラ」の方が出るので、そちらも試せということだろうか。確かハイグレード版だよね?スーパーで詰め替え用パックを手にとって持ち帰ってみると、持っている80gの瓶に対して、120g用だった。少し大きいし値段も高いなとは思ったが棚にそれしかなかったのだ。仕方なく瓶に詰めれるだけ詰めて、パーマセルで封をした。ただでさえネスカフェは粘るのに、40gも多いと消費にさらに時間がかかってしまう。これからの長いネスカフェフェーズの始まりと長い梅雨の重なりはどのような効果を生むのか全然想像できない。変な相乗効果を発揮しないといいのだが。

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