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Essay

夏の入道雲と、サピエンス全史

 

2、3日前、龍の巣のように発達した積乱雲が、遠くでばちばちと光を放っていた。

あまり見かけない不思議な形と光に魅せられて、家の窓辺から写真を撮った。

太陽の反射した光が、雲の一部を照らしていると思ったが、どうやら内部で踊る雷の色が表面で混ざり合っていたようだ。

そして昨日も、撮影から戻ると急に空が暗くなりだし、雷が降り出した。

次第に雨も混ざり、音と光の畏怖に満ちた天体ショーが始まった。

今度は遠くではなく、真上に先日見た雲がいる。そう思った。

部屋を暗くして三脚をセットして、写真を撮った。

こんな時、写真を撮る者にできることは、写真を撮ることくらいしかない。

家電のコンセントを抜けばよかったな。嵐が去った後で、そう思った。

「地球がおかしくなっている」

小学生が言いそうな台詞だが、けっこう大きな大人からもそういう言葉をたまに聞く。

しかしそれはある意味では当たっていると思う。

138億年前にビッグバンにより宇宙が生まれ、45億年前に地球が生まれた。

ビッグバンの前にも宇宙はあったとされているけれど、現在の科学で観測できるのはその時点までである。

宇宙の誕生を僕らが使っている一年(365日)カレンダーにして考えてみる。ビッグバン(宇宙誕生)が1月1日、いま、現在は12月31日の24時だ。

銀河が生まれたのが3月15日、地球と太陽が8月31日に生まれ、生命が生まれたのが9月21日、最初の花は12月28日に咲き、12月31日の最後の1時間に人類が誕生。23:59 46秒から、わずか14秒間に私達が”歴史”と認識しているもの全てがある。それは人類が文字を使いだした時間と重なる。

このように長い長い軸で見れば、私達が生きる時間はとても些細なものだし、偶然生存できる環境にいて、その変化の真っ只中にいることは想像できる。写真に撮らなくても「なんかおかしくなってきている」というのは、人間の肌感として(それはDNAに刻まれているような)分っているのだと思う。

 

僕は捻くれた性格なのか、ベストセラーなるものを読まない。

本を読むことと、新しいものは好きなので、読んでいた本がいつのまにかベストセラーや本屋大賞に選ばれていたということはよく起こる。卵が先かにわとりが先かという話しではあるけれど。

だけどあまりに世間で(あるいは世界で)ベストセラーだと持ち上げられ過ぎたものに関しては、どこか敬遠してしまう。

そして、しばらく経ってから、ほとぼりが冷めたころにようやく手にとってしまう。

そして、だいたい読んでいなかったことを後悔してしまうのだけど、今回はその後悔がとても深い本と久々に出会ってしまった。

持ち上げられ方にしても、書評を寄せているのが、ビル・ゲイツだ、マーク・ザッカーバーグだ、オバマ大統領だ、ジャレド・ダイアモンドだ、池上彰だ、カズオ・イシグロだ。ホリエモンも「こういうのを教養と呼ぶ」なんて言っていた。こんなメンツずるい。

そう、ユヴァル・ノア・ハラリによる「サピエンス全史」

しかし、出版社の思惑を超えたところに著者、ユヴァル・ノア・ハラリの知と語りは到達している。

教科書でもなく学術書でもなく、人類に対する「やさしい講義」、それでいて「今まで隠されていた秘密」を聞いているような。

僕と同じようにまだ敬遠しているサピエンスは、もう読んでいい。

この本のせいで睡眠不足です。

そして、アマゾンのページを見ていたらこちらもおすすめに。

来月、同著者の新刊出るんだ!

次はベストセラーの波に最初から乗って行きますよ。

入道雲から、宇宙そして人類に思いを馳せる夏のひとときでした。

 



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