ミニマリストが残した10冊の本

こんにちは、常丸です。

現在、僕が手元に持っている本は10冊です。

正確に言うと12,3冊あるのですが、「家に持つ本は大体10冊程度にする」ということに決めてから、冊数をキープしています。

数年前は本棚に250冊程の本を持っていました。持っていたというより、仕事柄ほぼ写真集だったので「コレクション」していたという方が近いです。写真的読み物、小説、中には世界で50部しかないロンドンの写真家のレアなやつまで。ほぼハードカバーの中〜大判でしたので、部屋のほとんどを占領していました。

それから前回の引っ越しを機に、全て売ったり譲ったり。

そうして、10冊の本が残りました。

このコレクションは現段階で「超個人趣味的なセレクション」という感じです。

人気度や内容よりも、感覚的に選んでいます。

集めた写真集が全て消えたのは最初とても寂しく思いましたが、全てはもう頭の中に入っている、そう思いながら生きています。

またその他の読み物に関しては「読み返す時間がない」という理由です。
学者でもない限り、一度読むと、なかなかの事がないと読み返しません。化石の様に本を本棚に蓄積させておくのは、スペースの無駄でしかありません。

それよりも、サイクルの早い読書で、知識を”頭の中に”蓄積させる方が断然良い。

部屋もすっきりして、能率も上がるというわけです。

そして、最近僕の読書スタイルは徐々にキンドルに移行し始めています。これは一度慣れると、もうキンドルの方が良いのではないかと思うほど。後述します。

それでは現在のラインナップを。

selected-10-books
selected-10-books by Tokimaru

1「写真のエッセンス」Anne‐Celine Jaeger

28人の世界的写真家を良質なインタビューにより読解している。マリオやエグルストン、マーティン・パーにデビッドシムズ。ファッション広告、アートの全領域で本物の写真家だけを集めた感じ。そのまま語っているので、初心者向けではなく、ある程度写真をやっていて知識のある人向けかも。面白い話が聞けて写真も見れてボリュームも最高です。

2[Focus: The Secret, Sexy, Sometimes Sordid World of Fashion Photographers] Michael Gross

1900年初頭から現在までの「ファッション・広告写真家」にフォーカスした本。これを読めばファッションと広告写真の歴史はほぼ全てカバーできる。アベドンやペンはもちろん、最近のテリーやユルゲン・テラー、マン・レイのアシスタントをしていたBill Brandtの小さなエピソードまで。広告写真家の当時の栄枯盛衰っぷりが、よく書かれている。酒やドラッグではちゃめちゃやってる時代、ファッションとの関わり、クライアントとの衝突や起用、そしてモデルとの関わりも。最高です。

3「ゲンロン0観光客の哲学」東 浩紀

東浩紀が観光客を哲学する。今私達は、観光客のような姿勢で生きることが必要である。観光客とはなにか。哲学系の本が好きなのは、学問の体系的な知に触れることができるから。様々な思想や哲学者に派生し、それ自体がツリーかリゾームのように広がる様を見ることで、新たな気づきを得ることができる。最高です。

4「明るい部屋ー写真についての覚書」ロラン バルト

ロラン・バルトによる写真に関する哲学的散文。「三大写真論」と言われている、ソンタグの「写真論」、ベンヤミンの「複製技術時代の芸術作品」に加わる一冊。もちろん他二つも持っていたけれど、この中で最も難解で回りくどく、文体も古くさく、面白くなさそうなものをあえて残した。パッとしないものは、スルメイカのように、何度も噛みしめる余地があるということである。読んでるとあまりに眠くなるので、寝たい時にも有効。今ではもう古くなった理論や思想もあるけれど、モダニズムとしての写真を考えるには、最高です。

5「写真の新しい自由」菅付雅信

菅付さんによる2016年の著作。コマーシャルフォトに連載していた、写真家のインタビューを再編したもの。下記のような「今」あるいは「今も」なフォトグラファーが調査対象。
操上和美、鋤田正義、レスリー・キー、梅佳代、大橋仁、アレック・ソス、林ナツミ、M/M(paris)、森栄喜、藤代冥砂、浅田政志、ジャン=ポール・グード、川島小鳥、鈴木理策、畠山直哉、七種諭、広河隆一、高橋靖子、題府基之、セバスチャン・キム、ライアン・マッギンレー、アラスディア・マクレラン、奥山由之、ウィリー・ヴァンダーペール、上田義彦、マリオ・ソレンティ、ハーレー・ウィアー、鈴木親

超絶豪華なラインナップ。最近の世界の写真の傾向はまさにこの方々によってつくられている。それでも2016年なので、既にちょっと昔感がある。このように素晴らしく写真界を概観出来る良書は一年一冊出して欲しい。僕の香港人の友人がインタビューと翻訳も行っている部分もあり、最高です。

6[Miles: The Autobiography] Miles Davis

このブログでも何度か書いています。マイルズ・デイヴィスの自伝。
参照記事:テーマソングとマイルズ・デイヴィス
先述の通り、「スイング」を味わうためには、英語で読むのが最高です。

7「たのしい写真―よい子のための写真教室」ホンマ タカシ

ホンマ先生による2009年の著作。これ僕がちょうど写真を始めた年ですね。タイトルが秀逸。内容そのもので、良い子のための写真教室。それに比べると上記の2のFOCUSなんかは悪い悪い。写真家という人間の醜態を全てさらけ出していますからね。

ホンマさんは実際教育機関で指導に携わる写真家ですが、この方ほど様々な写真を、確かなクオリティで、アートの文脈に載せながら撮っている写真家って日本にいないような気もします。実経験に基いて、写真の歴史と構造を優しく紐解いています。後半伝説の写真家のエピソード等、読み物としても面白いです。さらりと読めて、写真史の流れを大きく復習するのには最高です。

8「リアリティと他者性の人類学―現代フィリピン地方都市における呪術のフィールドから」東 賢太朗

僕の人類学の師匠である東先生による2011年の著書。フィリピン・ロハス市のフィールドワークにて、現代医療、アスワンの話やメディコに接触しながら呪術そして他者について考察する。実体、リアリティはどのようにして獲得されるのか。ジャック・デリダ、ジジェク、レヴィ・ストロース等の理論が散りばめられ学術的な本だが、フィリピンの文化や人々を知る民族誌としても読める。読解不可能なものは読解不可能なまま受けれる在り方は、私達の生活の随所にも垣間見ることができる。濃縮された記述は「ここではないどこか」への接続であり、僕をいつでも新たな場所へ連れて行くような本。最高です。

9「動きすぎてはいけない: ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学」千葉 雅也

ネットによる過剰接続から、私達はどのように逃避できるのか。「接続を推進するもの」と見なされていたジル・ドゥルーズの哲学をドラスティックに読み替え、切断の哲学を提示する。一度読んだが、難解過ぎてほぼ理解不能だったので残っている本。しかし、その壮大な生成変化の物語は、脳をフル回転させるには十分過ぎる熱量と文体を持っている。読み終わってしばらくすると、また読みたいと思わせる。最高です。

10「白夜」ドストエフスキー

「薄いから」という理由で残したドストエフスキーの短編小説。ドストエフスキーの小説にしては薄い、薄い。短編集なら話しは判るけれど、一遍で一冊、この薄さで文庫にするというのは、一体どういうことなのか。夢見がちな理想主義者でウジウジしている主人公というのは、彼の作品ではよくいるキャラ。まだ4、5ページしか読めていないので、内容は知らない。「罪と罰」や「カラマーゾフの兄弟」を読んだことのある方なら判ると思うのだが、僕はどうやらロシア文学的なああいう対話や文体が好きであるということです。ツルゲーネフ、トルストイ、チェーホフそしてドストエフスキーと、一時期ロシア作家の小説しか読んでいない時期がありました。ロシアの時代背景を知らないと理解出来ない部分も多々あるのですが、人間の根源的な性質を、身の回りで起きたことを元に物語る、というまさに物語の本質とも言うべきスタイルが詰まっていることが好きなのです。そして、そこに必ず含まれる「決して明るくないユーモア」、会話の長さと回りくどさにもやられます。過去にインドネシアにいた時に、僕はロシア人と初めて深く付き合った瞬間が合ったのですが、そこにロシア人的気質を重ねて見れたような気がして、その好奇心の大きさと、対話の深度に感銘を受けました。たまたまその方が、そういう話したがりで言葉の多い人だった、というだけかもしれませんが。まだ読めていないのですが、とりあえず現段階で、薄さ最高です。

以上、10冊でした。

最近ようやくキンドル使い始めましたが、結構良いです。
注文して本が家に届くまでのラグが無いのが何より最高ですね。もう半分はこちらで読書している状態。ブックマークや、辞書もついているので、ブログを書いたりする時は非常に便利。これは紙には無い強みです。病みつきになりそうです。



人気記事ランキング

1、フジx100fの使い方。11個の魅力まとめ [保存版]

2、ビットコインの買い方

3、フォトグラファーが選ぶ、粋なコンパクトカメラ5選

4、物を持たずにシンプルに暮らす

ご案内

トキマルとは?

ポートレート撮影します

インスタ写真販売しています

最近のつぶやき

One thought on “ミニマリストが残した10冊の本

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です