モノを分かち合うこと

シェアリングエコノミーが生活に浸透し、私たちはますます物を持たずに生きることができるようになりました。ミニマリズムが流行しだした時期と、シェアリングエコノミーの発展したタイミングは重なります。
私たちは今、家具付きの賃貸住宅に暮らし、シェアオフィスで仕事をし、服や自動車、自転車、ベビーカーをレンタルし、ネットフリックスやツイッターのアカウントを恋人や友人と共用しています。
10年前は文献や小説の中の話だった世界が、既に到来していることに驚きながら、喜んでいます。世界中で余剰のあるリソースを、インターネットで繋げることにより最適化し、適材適所に再分配することが可能となりました。それらをビジネス観点でドライブさせると、大きな経済圏になりました。
ざっくり言うとそれがシェアリングエコノミーです。
自動車の乗車率は相当低く、東京都内の個人所有されている車の8割以上は駐車場に停められたまま、動いていません。
ファストファッションのブランドでは、年間20~40回のトレンドサイクルがあり、それに則り服が作られては、大量に在庫を抱えたまま捨てられます。
今朝のニュースでは、グローバル展開の無印良品でさえ、余剰在庫に悩まされているようです。(これについては管理システムの問題もありますが)
私たちはいつからモノを独占し、過剰に広告し、新機種が出る度に新しいものを買うようになったのでしょうか。
江戸時代は、道具や個人の持つスキルを、貸し借りしていました。昭和初期には、テレビのある家に近所の人々が集まりブラウン管を囲っていました(1953年には日本にテレビカメラはわずか5台しかありませんでした)
モノが溢れすぎて今また再び、モノを分かち合う時代が来ていることはとても興味深いです。
所有リストに記載したように、僕もあまり持たずに暮らしていますが、ほぼ不便はありません。むしろスペースや管理の手間が減って、快適です。
部屋にあるものは相変わらず、机と椅子とベッドだけですし、読み終わった本は読んでほしい人に突然贈与しています。(本テロと呼んでいます)
必要なものが出てきた場合は、購入を検討しますが、ほとんどレンタルで済んでしまいます。都内に暮らしていても、所在は一時的なものであり、どこか旅の途中だという気でいるのです。実際、旅に出ている時も、持ち物も、やることもさほど変わりません。
レンタル派の方は既に利用しているかもしれませんが、使えるシェアリングエコノミーサービスをリストしておきます。
使えるシェアリングサービス
家具のレンタルサービス。引っ越しや移動が多い人と冒険家に、家具はいらない。
随分定着してきた感のあるアパレルレンタル。ミニマルに暮らしたいけど、オシャレしたい人はレンタルの方が断然コスパよし。どうせワンシーズンしか着ないんだし。
こちらはdmmがやってるレンタルサービス。アパレル以外にも、カメラやアウトドア、ベビー用品からお宮参り道具まで、一時的にしか使用しないものが多く揃っています。
駐車スペースのシェアリングサービス。土地が余ってる人と、駐車場がほしい人のマッチングができます。
最後に個人的に今一番試してみたい番外編。アグリメディアが提供している、畑のシェアサービス。畑もシェアできる時代です。
撮影の仕事をしていると、プロップとしてあれ欲しい、これ欲しいがたまにあると思います。服はスタイリストが持ってきてくれるけど、プロップスタイリストがつかない時、フォトグラファーにどうにかしてよと無茶ぶりが。そんな時にもレンタルが結構役立ちます。