園子温の非道な生き方

 

最近読んだ本のはなしです。

今更ながらですが、園子温の「非道に生きる」を。

愛のむきだし、冷たい熱帯魚、ヒミズ、という作品で知られる今では説明不要の映画監督ですね。

1961年、愛知県豊川市生まれ、小さい頃からイエス・キリストが好きで、実家には莫大な本があってシェイクスピア、ドストエフスキー、ヘンリー・ミラーを読んでいたそう。この時点で高い文化資本を持ちながら育ったことが伺えます。しかし小学校から問題児。起立、礼、着席が嫌いで、他人と同じことが嫌いで、制服も嫌いで、フルチンで登校して怒られ殴られ。

17歳で上京し、リアル「レンタル家族」をすることになり、それが後に自作「紀子の食卓」(2006)につながっている。キリスト好きということも「愛のむきだし」に極端に出ているし、自分の身を削って、権利の絡んだいわゆる大衆ウケ狙いではなく、本気で本気の映画を作る人。それが園子温。

賞を狙って映画を撮ることや、お金の為にAVを撮ったことや、インディーズ時代の独自のプロモーション方法や、パフォーマンスでありながら映画にもなった「東京ガガガ」についてや、ハリウッドで学んだことや、役者との関係性や、家族の”血の関係”が大事なことや、震災直後の「ヒミズ」のことや、被災地を描くことについてや、日本映画が劣化して韓国映画なんかが盛り上がっている理由についてや、そんなことが書かれている。

家族の「血の関係」を描くことが重要なことについては、万引き家族のエントリーでも書いたけれど、是枝裕和監督と同じなんだなあと思ってしまいました。

「とにかく自分を疑わないこと。面白いと思ったことを断念しない。
ただ好きなように自分が面白いと思ったことを追求すればいい。他人はそれを非道と決めつけるでしょうが、そんなときも、自分が自分の最も良き理解者であり、パートナーであればいい。自分を見捨ててはいけません。非道であれ。ーそのために若い世代は自分の敵を見つけてほしい。そうした人たちの相手であれば、僕自身が敵になってもかまいません」園子温

写真もそうですが、何かものづくりや表現をしている人は読んで損は無いと思います。40歳まで中央線の四畳半のアパートに住んでいてなかなか芽が出なかった偉大な監督の、この世界への向き合い方と生き方がむきだしにされている本です。

ちなみに僕の園映画との出会いは、吉祥寺の五畳半のアパートに住んでいた頃です。当時付き合っていた彼女が「愛のむきだし」好きで、まさか4時間も日本映画観れるかよと騙された気持ちで勧められるがままに見たら、4時間があっという間で、すっかりファンになってしまいました。それ以来、園さんの作品はほぼ全て見ていますし、日本映画をきちんと見るきっかけにもなりました。日本映画を無茶苦茶に観た年もそのあたり(2009、2010)だったし(年間130本)、彼女とは愛のむきだしのような激烈な恋愛となりました。園子温を教えてくれたこともだけれど、色々とても感謝しています。今更ながら。

参考作品

園子温の映画はこちら→Amazonで園子温

シェイクスピア

ドストエフスキー

ヘンリー・ミラー

どれも古典的名作です。



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