Tag: カメラマン
職業的境界の緩やかな融和
フォトグラファーのウェブサイト、自分でつくるか外注するか
少し時間が経ってしまいましたが、ウェブサイトを更新しました。
https://www.tokimarutanaka.com/
しばらく写真は掲載せずに、連絡先だけを載せてインスタの写真が1枚だけ掲示されるような仕様にしていました。
今回は、このギアページを作りたくて、ページをいじり始めていたら、2日後には全く変わり果てた姿になっていました笑
カメラマンとして活動している方はだいたいウェブサイトを持っていると思いますが、自分で作るか外注するかは迷うところだと思います。
ウェブサイトの重要性についてはこちらの記事で書いています。(2,3年前のエントリーですが、今も大枠通用する内容です)
https://www.tokimarublog.com/way-to-promote-photographers-portfolio/
自分でサイトを作ることのメリット
- 好きなようにカスタマイズできる
- 更新タイミング自由
- プロモーション感覚を養える
- 若干だが安い
サイトを外注することのメリット
- 労力ほぼゼロ
- 時間の節約になる
- デザイナーに依頼すればクオリティの高いサイトができる(可能性が高い)
自分でサイトを作ることでプロモーション感覚が養えるというのは、長期的には良いことです。
自分の強みや、売りたいポイントをうまく顧客にリーチできると、自分が撮りたい仕事をできる可能性が高まるからです。
マネージメントサイドがついていたり、社カメでやってる人は、全て第三者がプロモーションをやってくれるので、何も必要ないかもしれません。しかしそのような組織から突然フリーになった時、何もできないと自分が困ることになります。
金額面は一概には言えませんが、自分で作るにしてもサーバー代やドメイン代が年間15000円ほどかかります。
外注すると幅はありますが5万〜50万、更新料や、月額制などサービスや制作会社によってはランニングコストもかかってきます。
両者を比べて、自分で作るほうがコストを抑えた運営ができるといったところでしょう。
サイトでランニングコストが膨らんでいる人は、トライしてみるのもありかもしれません。
キャプチャーワンやライトルーム等の難解な操作を日々行っている人種なので、やってみると意外と難しくないはずです。

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Summicron 35mm ASPH. レビュー
はじめに
今年に入ってズミクロン35mmを使うようになったので、このブログでレビューめいたものを書いてみる。noktonの40mmを買おうか迷った末、ファインダーが合わないのが気になり、気がつけばsummicron 35mmをポチっていた。
ライカで使うレンズはどういうわけか今までずっと50mmだった。レンタルして一時的なテストのために、28mm、35mmはズミルックス含めて試してはきた。しかしフィルム時代のMPでも、デジタルになってのM10-Dでも組み合わせるレンズは50mm一本。それも決まってズミクロン。
思えば商業的フォトグラファーを志すようになって、学校を出て初めて買ったレンズもニコンの50mmだった。(FEというフィルムカメラにつけていた)
最初に見たものを「親」と思うヒヨコのように、それ以来僕の中で50mmという焦点距離はひとつの基準というか、基本のようなものになった。

35mmという焦点距離
35mmという焦点距離についてはどうだろう。
これも個人的な経験からしか語ることができないのだが、また一つの基本形であることに変わりはない。そしておそらく僕がここ10年間で最も多用してきた焦点距離だ。
写真をはじめて間もない頃、尊敬する写真家の先輩と高円寺の喫茶店で話している時、なにかの流れで彼がJuergen Tellerが主に35mmを使っていることを教えてくれた。(その後機材まで全く同じコンタックスG2を買うことになる)
僕はそれ以来、35mmの魅力に取り憑かれて、ひたすらに35mm判の35mm焦点でいくことになった。もし彼が、ヨーガンに、あるいは写真やカメラについて語ってくれなかったら僕は今頃写真をやってなかったとさえ思う。誇張ではなく。
それくらいに、僕は焦点距離や機材に関して無頓着に写真を撮っていた。当時勤めていた制作会社でもズームレンズが基本だったから、考える余地もなかったのかもしれない。

35mmレンズを使う写真家たち
それ以来、35mmの写真家たちを追いかけることになった。
ヨーガンをはじめ、Josef KoudelkaにLee Friedlander、Matt StuartやAlex Webb。Ari Marcopoulos、マーク・ボスウィック、Stephen Shore。それから僕の個展にコメントを寄せてくれた、Bryan Derballa。
荒木経惟、沢渡朔、鈴木親、ヒロミックス、Sandy Kim、奥山由之、笠井爾示、半沢健。
ライカ使いで言えば、瀧本幹也、佐藤健寿、操上和美に藤代冥砂、桑島智輝。(敬称略)
などなど。全て僕の間接的な”先生”たちだ。
挙げればきりがない。それほど使う写真家は多く、普遍的な焦点距離だとも言える。
もちろんここに上げた写真家たちは35mmだけを使うわけではない。だが、35mmで多くの素晴らしい作品を残している。
なにより、35mmは旅の香りがする。そして僕は上に述べたような普段バチバチの商業写真を撮影しているような写真家が、日常や、旅の途中に撮る写真がたまらなく好きだ。ささやかな物語を自分ごとのように感じられるし、35mmというフォーマットには親密性があり、それがとても写真的に伝わるから。

現行ズミクロン

ライカレンズはその耐久性と同じマウントを使用していることから、50年前のレンズでも今使うことができる。そのためレンズ構成のアップデートにより、何世代、〇〇ジェネレーションといった呼び方をされる。
世代による描写比較、みたいなものは他のブログに任せるとして、ここでは僕が使用している現行のズミクロン35mmについて書く。
現行は世代的には4世代目となり、発売日は1997年。意外と古い。主な構成は変えずに、コーティングや細部をリニューアルして2016年に登場したのが、この「現行」と呼ばれるズミクロンだ。
4年前ということなので、他のメーカー感覚からすると古く感じるかもしれない。しかしライカの場合「レンズにセンサー開発のほうを合わせる」という他とは逆の方法をとっているため、レンズ寿命は遥かに長くなってくる。
個人的にはこの「現行デザイン」が好きだ。50mmも現行を使用している。
このように時代に合わせてデザインされたという解釈を勝手にしています。真相は定かではないけれど。
描写力と使い勝手
見出しをつけておきながら、描写力って、言葉にすることが難しい。
「開放からキレる」と言われればそんな気もしてくるし「絞り込めば隅々までシャープ」と言われればそういう気もしてくる。ボージョレ・ヌーボーが毎年「比較的にだいたい良い」ように、ライカレンズもどこにでもだいたい同じような「良い」ことが書かれている。
何より画像圧縮度合いや、ボディ、閲覧環境によっても大きく変わってくる。だから僕は描写力について述べることをいつも躊躇してしまう。
そして個人的にも「高い描写力」みたいなものを最初から求めていない。それよりも、どこでも持っていけるコンパクトさと、そこそこ写る(と思わせてくれる)感じと、ちょっとやそっとでは壊れない耐久性。正直な話、それがあればどんなレンズでもいい。
でもその条件を満たすレンズというのは案外少ない。Summicron 35mmは見事に満たしている。だから使っている。
ここでは写真をあげることで、その性能の説明に代えさせてください。

50mmレンズもそうだけど、引き寄りで標準っぽくも広角っぽくも使える。


デジタルにおいて「トーン(色味)」はセンサーに左右されることが多いけれど、さすがにセンサー側に寄せてレンズ開発されているだけあって、jpegでサラッと撮影してもなんの違和感もない。ハイライトも心地よく抜けてくる。

ブツ撮り。金属表現はズミクロンが得意とするところ。なぜだろうと考えてみたら、それはおそらくシャドーが良い締まり方をするからだろう。


コンパクトだと毎日持ち歩ける。持ち歩けるとストリートでブツ撮りができる笑。
35mmは金属製のはめ込み式レンズフードが純正で付いている。僕は取り回しやすさの観点から、フードなし、リング付けで持ち歩くことが多い。そうするとズミクロンの50mmよりもコンパクトな撮影システムができあがる。




山でも、街でも、旅行でもオールラウンドに使える。風景写真のように50mmだと少し窮屈さを感じる場面でも、35mmならなんとか上手くまとまる。そして一眼レフのように移動の妨げにならない。


花のような身近なものを撮るのに、35mmほど適した焦点距離は無いだろう。昔のコンパクトフィルムカメラによく使われていたことを考えれば納得だ。
最短撮影距離はライカ標準の70cmだが、引いても寄っても心地よい。マクロで撮れないもどかしさも、時にはそれがレンジファインダーライクな味となる。

人生をドキュメントするにあたり、僕は50mmと35mmがあればもう何もいらないと思うようになった。そういう意味では、50mmでも35mmでもどちらでも良いはずだ。
しかし、35mmで譲れないところがひとつある。それは飲み会での向かいの席を撮れるということだ。50mmだとどうしてもひとりにフォーカスされてしまい難しい。35mmは上手く収まるし、とっさの集合写真にも対応できる。そこが好きだ。
テクニカルデータ

レンズ構成 | 5群7枚 |
---|---|
距離計連動範囲 | ∞〜0.7 |
フィルター径 | E39 |
絞り
設定方式 :クリックストップ(1/2段ステップ)
最小絞り :F16
絞り羽根 :11枚
バヨネット :ライカMバヨネット方式
レンズフード :ねじ込み式
寸法/重量
長さ :約35.7/54.4mm(レンズフードなし/装着時)
最大径 :約53mm(レンズフードなし)
質量 :約252g/287g(レンズフードなし/装着時)
まとめ
よく「無人島に一本だけもっていけるなら、どのレンズを選ぶか」という話をしたりする。
実はこの問いは、非現実的なものではなくて、撮影者にとっては考えるべき命題ではないかと思うのだ。
なぜなら身体ひとつで撮影している時は、一本のレンズしか使えないからである。もちろんズームレンズを使えば、あらゆる焦点距離を一本で自在にコントロールできるようになる。
しかし持ち運べるコンパクトさやカメラと一体化して写真を撮る歓びは、一本を決めたときに体感としてもたらされるものだ。焦点距離を決めることは写真家の意思表示ともなり、スタイルになりうる。
好みの焦点距離と出会った時、家でも、いつもの街でも、そこは冒険できる無人島と化す。お気に入りのレンズをみつけて、それぞれの冒険を楽しんでほしいと願う。ただし、レンズ沼だけには落ちないように笑

作例写真増量版は、ノートで公開中です。
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コロナ時代、カメラマンの思考法
noteにて、思うところを色々と書いています。
少し早いかもしれませんが、僕の中ではもうコロナは終わりました。
この文章を書くことによって、終わってしまいました。
もちろんこれから僕自身が罹患する可能性はあるわけですが、今はもう違う景色が見えています。
とりあえず先へ進もうと思います。

緊急事態宣言が発令されて、およそ1ヶ月が立ちました。
先日、5月末までの延長が発表され、特に自営業やフリーランスでビジネスを営んでいる方々にとっては大きな痛手で、日々不安なことと思います。
フォトグラファーやスタイリスト、ヘアメイク、モデルなどの制作系も大きな影響を受けています。
私もいくつかの撮影がキャンセルになり、強制的に家に引きこもりさせられているような状態です。
そのような時間の中で、今後カメラマンという職業はどのようになっていくのかを自分なりに考えてみることにしました。
このnoteでは実体験と業界の方々の話しを交え現状を概観しながら、今から、そしてこれからの時代を、フォトグラファーとしてどのように生きるのか考察します。
思考法と呼べるほどまとまったものではないかもしれませんが、ひとつの個人的な体験を通して、これからを生きていくためのヒントになれば幸いです。
コロナ時代、カメラマンの思考法
<目次>
- 自らの体験から、撮影の連続バラし
- 撮影手法の変容
- 蜷川さんのzoom撮影
- 少人数制へ
- ホームスタジオの優位性
- もはやフォトグラファーが撮影しない
- 写真を代替するもの
- cadデータからフルCG制作へ
- 写真二次使用の高まり
- イラストレーション化
- 淘汰されるフォトグラファー
- 今厳しい撮影分野
- 影響の少ない撮影分野
- 第二キープカメラマンは要注意
- EC撮影需要は伸びるのか
- 今だからできること
- 自己との対話、作品見直し
- アウトプットを再構築せよ
- 教育と発信
- オンライン販売の可能性
- あえて何もしない、ということ
- 本当に写真を愛しているか?
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ツイッターで写真論
写真論というほど大げさなものでもないのですが、ツイッターで写真のあれこれつぶやいています。
水平がピシッと撮れた写真は、確かにカッコいいけれど、説明的で、商業写真的だ。
— 田中 常丸 (@tokimarutanaka) April 19, 2020
今は後処理でいくらでも水平がとれるからこそ“現場で手持ちで最大頑張った感”みたいなアマチュアリズムの宿る写真に親近感と愛着を覚える。
それは荒木/森山育ち過ぎるだろうか?#写真 #35mm pic.twitter.com/Oij01XJATV
水平の話をした後で、ホンマタカシさんのこんな言葉を思い出した。
— 田中 常丸 (@tokimarutanaka) April 20, 2020
「ヨーロッパの学術機関でアカデミックな写真教育を受けるなら、西洋写真の文脈でとことん学ぶほうがいい。
どうせ日本に帰ったら、私写真に戻るんだから」
思うに写真は、それを行う場所や土地による強力な力が働く。
様々なカメラやレンズを使ってきて思うのは、少々乱暴な言い方になるけど「写ればなんでもいい」ということだ。
— 田中 常丸 (@tokimarutanaka) April 18, 2020
“自分に合った焦点距離を〜”みたいな言説も今では無意味に思える。
28でも35でも50でも、それぞれに良さがあるし、苦手意識が逆に功を奏することも。#写真 #35mm
写真が特殊技能だった時代はとうの昔に(それはおそらくiPhoneが出た2007年頃)に終わっている。
— 田中 常丸 (@tokimarutanaka) April 17, 2020
フォトグラファーはフォトグラファーであると同時に、他の分野のスペシャリストである必要が出てきた。
抜群の山岳写真を撮る写真家が、写真家である以前に優秀な登山家であるように。#写真家
そういう意味で写真が主役であってはいけない。優秀な撮影者はこの点を認識し、十分に心得ている。
— 田中 常丸 (@tokimarutanaka) April 17, 2020
本質はいつも別のところにあって、主役は常に被写体で、記録という形式を保持しながらその撮影者しか踏み込めない視点に常に立っていること。
それが今後写真を撮る条件となる。#写真
ファイルサイズは、時間とディスクスペースを食うのでアウトプットされる写真に対して割に合わないことも覚えておこう。(それがグルスキーの写真のように2億で売れるならRAWで撮る価値はある)
— 田中 常丸 (@tokimarutanaka) April 12, 2020
簡単にいうとRAWは金がかかる。
Jpegのサクサク感になれると、写真が生活に寄り添うようになる。
フレーミングは写真家の仕事で、トリミングはデザイナーの仕事。という考え方もあれば、トリミング含めて写真家の仕事だという考え方もある。
— 田中 常丸 (@tokimarutanaka) April 12, 2020
いずれにせよ私たちが見てきた歴代の作品はほぼ全て(フランクもブレッソンも)トリミングされたものだ。
“トリミングされうる”事が写真のもつ自由さである。 pic.twitter.com/H2brGrvpWv
もうひとつ言うと、トリミングしないことはハードコアな35mm信者のマッチョイズムに捉えられがちだけど、レンズ感(画角感)を楽しむには最良の方法だ。トリミングするとレンズ感は失われる。
— 田中 常丸 (@tokimarutanaka) April 12, 2020
それはちょうど、ギタリストがそれぞれのギターの個体差を楽しむのと同じ種類の享楽である。#写真 pic.twitter.com/9WaSXrAww7
ノートリ信者に加え、「jpeg撮って出し信者」も存在する。
— 田中 常丸 (@tokimarutanaka) April 12, 2020
僕はアサインメントはRAWが多いけどjpeg優先も使う。クライアントの求めるところに速度と品質を持って着地できる方を内容に合わせて選ぶ。
スナップは最近はjpeg。m10のトーンはハイレンジが気に入っている。#Leica #leicam10 pic.twitter.com/bn22GH6F86
そしてこれまたストリート界の奇人でGarry Winograndってファンシーなおっさんいるんだけど、ガリーがジョエルにお昼休みにライカをちょこっと貸したのが使うきっかけになっている。
— 田中 常丸 (@tokimarutanaka) April 9, 2020
つまりガリーがいなければ、ジョエルは今、全く違う写真を撮っていたか、あるいは撮ってないかということなんだ。
140字というコンパクトさは思考の”有限化”がなされて良いです。
「ごちゃごちゃ言ってねえで、いいから撮れよ」
と、いままでの先生方の声が聞こえてきそうです。笑
写真撮りにいってきます。
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MacのQuick Lookがクイックさを失い、便利になった
どうも、ときまるです。
写真や動画編集を行う方はMac使っている方多いと思います。
OSは何を使っていますか?
僕は仕事柄キャプチャーワンやアドビなどの写真系ソフトをよく使うため、いつもアップデートのタイミングに悩まされています。
新しいOSにすると、ソフトが上手く動かないという問題がよく起きるからです。
先日ようやく「Catalina 10.15.3」にアップデートしました。最新版です。
最初、「なぜ台風の名前をつけたのよ」とひとりで突っ込んでいたのですが、違いました。違うに決まっていますよね。ジョブズだったら新しいOSに台風の名前くらいつけたかもしれませんが。
調べてみたらどうやらロサンゼルスにある島の名前だということです。
確かに初期のデスクトップには島が映し出されました。

ここでも最初見たときは正直「うちの実家」かと思いました。どうやらこれがサンカタリナ島らしいです。
クイックルックで編集する
Macには随分前からクイックルックという便利な機能があります。
ファイルを選択して、スペースキーを押すと、ずーんとプレビューされるあの機能です。
この機能が便利過ぎて、なくてはならない存在になっています。(Winにあるのか不明ですが)
特に写真を扱う仕事をしていると、重いソフトウェアを立ち上げるまでもない場面に多く遭遇します。
そんな時、スペースキーだけでサクッと確認できるのです。
OS Catalinaになってから、このクイックルックが更に便利になりました。
ルックした後に、その場でちょっとした編集ができるようになったのです!
編集というより校正機能といった感じです。カタリナ以前のMojaveからあったようですが僕は気づいていませんでした。
iPadのペンツールで書くことを想定して、Catalinaでより全面に出てきた印象です。

何もしなくても使えますが、環境設定>拡張>ファインダー
からどの機能を入れるか選択できます。
トリミングもできて、マークアップもできて、PDFも作れます。
編集者やディレクターには特に便利な機能ですね。

右上のえんぴつボタンを押すと、編集項目が現れます。

フィルムで撮影した写真を編集してみました。
もしこのように書かれて写真が返ってきたら、困惑します。
場合によっては指示が謎すぎて二日間くらい悩むかもしれません。
ただ事実を述べているわけで、牛ってことはわかってるし、
いや牛以外の何者でもないだろうし、
小さくて分かりづらいことを補助してくれたのかな?
いやレタッチで消してくれという意味なのかな?
指示っていうか、ウシ?モーニング娘?もーー

とりあえず増やしておきました。
*現在のクイックルック編集では、まだこのようなコピペはできません。
それではまた。
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iPhoneでRAW撮影を行う方法
こんにちは、ときまるです。
誰もが日常的にiPhoneでの撮影を楽しんでいると思います。春一番が吹いていますので、いろんな物が飛ばされるという面白い瞬間を狙うには良い季節かもしれません。
僕はミニマリストですので、たとえばカメラも全て捨ててしまったらどうだろう?なんてことを日常的に考えるわけです。
iPhoneのカメラだけで全てが撮影できたらどれだけ良いだろうかと。
でも実際に、職業的なフォトグラファーでもない人はもうiPhoneのカメラだけで生きているわけで。
職業的なフォトグラファーでさえ、日本や米国にもiPhoneだけで撮影している人は実際にいます。ただこの場合は作家的な考えで”あえて”そのようにしているという印象です。
iPhoneのOSが11くらいになったころから、HEICというフォーマットが採用されました。
HEICはiPhone独自のフォーマットで、JPEGよりも軽くて高画質というファイルです。しかしパソコンで簡単にプレビューができません。一度jpegに変換してから、写真を操作することになります。
僕はこれが面倒で嫌いで、HEICは使っていません。基本的にJPEGで撮影しています。
iPhoneだけを持ち歩いて撮影する際に、HEICではなく、RAWで撮れたなら!と思っているフォトグラファーは多いはずです。
今回はその方法を紹介します。
ライトルームアプリを使う
結論から言うとこれです。
このブログでも何度か書いていますが、ライトルームCCを使用します。
写真管理・編集が、クラウド上でできるフォトグラファー必須のアプリなので入れておいて損はないと思います。写真系はこれひとつあればもう何もいらないくらいです。
あとは
「アプリ内のカメラで、DNGを選択して撮影する」
これだけで、RAW撮影ができます。
Digital Negative(DNG)は、様々なデジタルカメラで生成される RAW ファイル用の公開アーカイブ形式です。この形式は、各カメラモデルによって作成された RAW ファイルのオープン標準の欠如に対応し、ファイルへのアクセスを簡単にします。
adobe
RAWファイルは、実はカメラメーカーが独自に持っているファイル形式です。キャノンならキャノンのRAW、ニコンならニコンのRAWという風に。だから編集する時にそれぞれ別のソフトが必要になったり、設定のパラメータが異なったりと、いろいろと面倒なわけです。
だからメーカーの垣根を超えて、同じ言葉で行きましょうよというノリのファイルがDNG。
JPGよりも多くの情報を含んでいるという点ではRAWと同じです。そしてライカ、リコー、ペンタックスなどは既にDNGファイルを採用しています。
アプリの操作
標準のiPhoneカメラくらいに、ライトルームアプリでの操作は簡単です。

アプリ開いて、右下のカメラマークでカメラが起動します。

↑赤丸をタップでJPGかDNGかを選べます。
右側は上から順に、フィルター、露出ロック、広角か望遠か(青丸)を選べるようになっています。

シャッターボタンの下には、
AUTO
PRO
HDR
が選べます。オートはその名の通り、自動モード。HDRはハイダイナミックレンジ合成モードで、露出さの激しい場面で自動的に補正した写真を作ってくれます。
PROモードがなかなか凄くて、iPhoneなのに(と言ったら失礼ですが)
・マニュアルフォーカス
・ホワイトバランス
・ISO
・シャッタースピード
・露出補正
の項目を設定できます。
iPhoneでマニュアルフォーカスできるのは新鮮です笑
しかもどこかのミラーレスカメラにありそうな、キーピングでピントの合っている範囲をグリーンの輪郭が表してくれます。

フィルターもなんやかんやついてますが、なかなか使えそうです。
JPGとDNG写真を比較してみる
実際にJPEGとDNGで撮影した写真を比較してみたいと思います。
今回検証するのは3つのファイル。
1、iPhoneの標準カメラで撮影したJPG
2、ライトルームのアプリ内カメラで撮影したJPG
3、ライトルームのアプリ内カメラで撮影したDNG
の3つです。
まず、上から順に、何も補正せずに撮影した写真を横1000px、90%のクオリティで書き出したものを掲載します。






ここでの気付きは
・iPhoneカメラ、白が少しトーンジャンプがかっている
・ライトルームで撮影した2枚は、シャッタースピードが1/200になり、iPhoneよりも若干アンダーめの露出になっている。
・DNGのファイルサイズが他にくらべて巨大(12.56MB)
ということでしょうか。JPGどちらも秀逸です。DNGは生のファイルですので、シャープネス等が自動でかからない分、この段階ではJPGの方がキレ良く見えます。
それではそれぞれを適正露出まで持ち上げ、トーンをつくってみます。



これだけオクラと真剣に向き合っているのは、私も始めての経験です。
それぞれ露出を1.5プラスました。
このサイズ感で見ると、iPhoneカメラ優秀ですね。最初からシャープネス強めなので、くっきり鮮やかに見えます。
逆に言うとライトルームカメラはナチュラルな表現が得意なように見えます。
シャープネスやコントラストは低い→高いの調整はできますが、高い状態から→低く設定することは難しいのが特徴です。破綻が出やすいです。
つまりDNGで撮影することは「ナチュラルから硬めまで、表現の幅がある」と言えます。
100%で寄って見てみます。



1のiPhoneではカリカリのノイズ感、2のライトルームJPGもわずかに毛の周り表面のディティール崩れがあり、3のDNGはペーパーにノイズが乗っていますが、オクラ自体はしっとりしてリアルに描写されています。
結論
これくらいの鑑賞条件ではさほど差は出ませんでした。
しかしDNGファイルの利点は「ホワイトバランスの可変域の広さ」にあります。これはじつは他のカメラメーカーのRAWファイルも同様で、RAWで撮影しているフォトグラファーは誰もが理解している部分だと思います。
JPEGだと色調整が出来ず、すぐに画像が破綻してしまいます。
撮影した環境の光がそのまま反映されるということです。
DNGで撮影することで、後処理により、暖色に振ったり寒色にふったりすることができるようになります。
天候や光の条件に左右されずに、自分の出したい色を出せるということです。
これだけでもiPhoneでRAW撮影を行うメリットは十分にあるのではないでしょうか。
iPhoneで撮影している方はぜひ自分で試して、色々いじって見てください。
私はこれからここで登場したオクラを茹でて食べようと思います。
それではまた。
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桜を撮る!4つのポイント
こんにちは、ときまるです。
本日、桜がもう開花したとのニュースが。
早い。
— 田中 常丸 (@tokimarutanaka) March 15, 2020
東京で桜が開花 観測史上最速 23日に満開見込み – 毎日新聞 https://t.co/We9X6hmgjf
早いですね。
世界中で多くの混乱が起きていますが、季節は確実に変わりつつあるようです。
今日は桜の撮り方について書いてみます。
撮り方、なんてそんなたいそうなものでも無いのですが。
4つのパターンを覚えておけば、桜写真にバリエーションが出せますよ、というものです。
最後に被写体主義と既視感についてまとめます。なぜパターン化することで写真が上手く見えるのか。
それではさっそく行ってみましょう。
1、寄ってみる

定番ですね。寄ってみます。
背景にも桜をぼかして入れて、空の抜けも意識すると良いでしょう。
桜のピンクと空のブルーという組み合わせだけで、春を演出できます。
こちらはリコーのGRというカメラで撮影しています。
コンパクトなのにマクロモードがついているので、寄って撮れる最強のカメラです。画質も申し分なしです。
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2、引いてみる

寄ってみたら、今度は引いてみましょう。
桜の木全体を写すのです。
画角は24~28mmくらいの広角がよいでしょう。
引き写真の時は、画面を占める被写体の割合を意識してください。
上記の写真は、桜8、芝1、空1くらいの割合になっていて、桜を中心とした構成になっています。
風が強い日に撮影すると、桜が宙に舞う絵を撮ることができます。三脚を使って瞬間を待ち望む系も良いです。
こちらの桜はニコンのD系で撮影しています。
趣味でも仕事でも使えるハイエンドなカメラで、桜を撮るにはなんの問題もありません。解像度が大きなモデルは本格的な風景写真を撮るのに適しています。
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3、前ボケ

続いては、前ボケです。
桜の花弁を画面手前に置いて、ピンとは奥の木に合わせます。
こちらの作例はそんなに良い例ではありません。もっと手前をボカして、ファンタジーな表現が「前ボケ写真」となります。
個人的にはあまりに手前がボケすぎると、別に桜じゃ無くてもよくなってしまうので、ギリギリ桜ということがわかる程度のボケでも素敵かなと思います。
1と同じくリコーGRで撮影しています。
4、環境を取り入れる

最後は、環境を取り入れることです。
桜だけにフォーカスするのではなく、桜が存在する環境を取り入れた写真です。
スナップとしての桜とも言えるかもしれません。
「公園」や「桜の名所」みたいな桜はたしかに美しいです。しかし撮影者も多く、同じような絵になりがちです。どれもストックフォト的な写真になってしまいます。
そこでおすすめなのがこの4つめの方法。
「さあ桜撮りに行くぞ」みたいな気合の入った感じではなく、自分の生活の延長線上でただ出会い頭に撮ってみてください。
言うなら脱力系でしょうか。
時にこのような写真の方が、桜の存在感や美しさを表現できる場合があります。そして、桜の名所で誰もが撮影している写真とは違うものを見ることができます。
こちらはM型ライカで撮影しています。
生活や人生を撮るにはどこでも持ち運べることが条件。ライカはそのような写真に向いているカメラです。
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被写体主義と既視感について
誰もが撮影する被写体なので、桜写真で突出したものを生み出すことは正直難しいと思います。
こんなツイートをしました。
いろんな桜の撮り方があるし、どう撮ってもよいのが桜だとも思う。
— 田中 常丸 (@tokimarutanaka) March 7, 2020
それは富士を描いたり、写真にすることと同じように、桜が多くのメタファーを含んでいて、象徴的で、かつ見た目にも優しいからだ。今年はどんな桜と会えるだろう。#桜 #cherryblossom #35mm #風景写真 #花写真 pic.twitter.com/Yzw9A70dn8
いろんな桜の撮り方があるし、どう撮ってもよいのが桜だとも思う。それは富士を描いたり、写真にすることと同じように、桜が多くのメタファーを含んでいて、象徴的で、かつ見た目にも優しいからだ。今年はどんな桜と会えるだろう。
Tokimaru
「どう撮ってもよい」
4つのポイントを述べてきたところで、突然つき放すようで申し訳ないですが、僕の結論はこの通りです。
例えば、芸能人が写っている写真は「あ、誰々だ」という認識をまずしますよね。その後に、肌キレイだなとか、髪型かっこいいなとか、サングラスどこのブランドだろう。なんて情報が入ってきます。写真そのものは情報となり、絵そのものに価値はありません。誰が撮ったってトム・ハンクスはトム・ハンクスなのです。
そのような写真を被写体主義的写真と言ったりしますが、桜もその部類に入ることが多々あります。
見て撮って「桜だ、キレイだ」ただそれだけです。
ただそれだけなのですが、被写体主義的写真を、写真的に観るという意識が、撮り手にバリエーションを持たせます。
そしてどのような写真でも「定形」というものがある。それはフォーマットであり、お約束のようなものです。
その定形(フォーマット)をなぞる形で写真を撮ると、上手く見えるのです。
なぜでしょう。
それは人間のもつ既視感のせいです。
子供は生まれた頃から親の顔を見続けて成長します。親の顔をみると安心するのはそのためです。人に限らず、モノやスタイルでも同じようなことが言えます。繰り返し見ているうちに、無意識のうちに情報が刷り込まれ、定形が形づくられます。
一度定形となったものを見ると人は安心します。
逆に、定形から外れたものを見ると、不安な気分や、不快な気分、違和感などが生まれます。いつもと違うからです。
ポートレートやファッション写真や広告写真にお決まりの定形があるように、桜写真(花)にも定形があります。
定形をなぞると安定して見える=写真が上手に見える。
そのような解釈で、今回は桜写真の”おきまり”をいくつか上げてみました。
新たな桜写真を生み出すヒントとしては、これらのお決まりから外れてみることかもしれません。
他の人が撮る桜が今年も楽しみです。
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逆光写真を撮る!3つのコツ
こんにちは、ときまるです。
最新iPhoneの三つ目カメラ随分良さそうですね。周りでも増えてきています。
最近のスマホやデジカメは逆光を自動で補正するようにプログラムされています。iPhoneは標準でHDR(High Dinamic Range)モードも搭載されており、明るい部分と暗い部分をいいとこ取りした表現が誰でも可能です。
それでもなんとなく、逆光が上手く撮れない。苦手だな〜と感じている方は多いのではないでしょうか。
今回はフォトグラファー視点から、逆光写真の撮り方のポイントをまとめてみます。
具体的な設定と、理論的な話も最後に少ししてみます。これを知っておけばもう逆光を恐れることはなくなります。
光に対してどこまでも突き進んでください。笑
無理に明るくしない
教則本や写真教室でよく言われるのが
「逆光の時は、露出補正をプラス1〜2に設定して撮りましょう」
というものです。
確かにこれは間違いではありません。(次のトピックではこちらの理論を使用しています)
しかし、どのような逆光かを見極めるということが重要です。全てにおいて、逆光=プラス補正ではないことを覚えておきましょう。
例えばこちら

ビーチで子どもたちが遊んでいる写真です。
露出補正無しで撮影しています。
この条件で、人物に明るさをあわせてしまうと、「夕陽感」が損なわれていまいます。
太陽の輪郭が損なわれないくらいの露出で、完全に人物は黒く潰れています。
それでも夕暮れの雰囲気や、子供たちの遊んでる、”なんかやってる感”が出ていると思います。
無理に明るくせず、影や輪郭による逆光表現を楽しむ。
これが1つめのポイントです。
直射でない時は、人物の明るさを出してもよし
さてふたつ目の例です。
見出しの通り、逆光が直射光でない時は、人物の明るさに露出を合わせると良いでしょう。
このような例です。


後ろがカーテンで、光が拡散され、柔らかな逆光が差している条件です。
このような条件では、定番通り、露出補正をプラス側に振って撮影します。
人物の表情も出て、画面全体も明るくなります。
なぜ「直射でない時は」という条件なのかは、太陽光が入ってしまうと場合によっては部分的に飛んでしまうからです。
もちろん、屋外のド逆光で、髪の毛だけがハイライトされる人物写真もありと言えばありです。ハマれば美しい写真になるでしょう。しかし条件によっては難易度が高いということは覚えておいてください。
逆光で人物を撮るメリット
逆光でポートレートを撮るメリットはいくつかあります。
- 肌がきれいに見える(荒れを隠せる)
- 柔らかい雰囲気を出せる
- モデルが眩しくないので、目を開けていられる
主にこのような利点があげられます。
デジタルと逆光写真の相性の良さ
3つめは理論的な話になりますが、デジタルでの表現と、逆光写真の相性は実は意外に良いという点。
このようなツイートをしました。
ディスプレイは逆光写真との相性が良い。紙媒体は逆光表現が苦手だけど、ディスプレイはそれ自体が発光しているので、私たちのスマホでの鑑賞環境は常に逆光となるからだ。
— 田中 常丸 (@tokimarutanaka) March 7, 2020
これから先、新たな媒体が出る度に写真表現も変わると思う。#夕陽 #風景 #風景写真 #35mm #写真論 #フォトグラファー pic.twitter.com/XwMiWSoW1T
ディスプレイは逆光写真との相性が良い。紙媒体は逆光表現が苦手だけど、ディスプレイはそれ自体が発光しているので、私たちのスマホでの鑑賞環境は常に逆光となるからだ。
Tokimaru
これから先、新たな媒体が出る度に写真表現も変わると思う。
僕たちはいつの間にか、全ての写真を逆光で見るようになりました。
逆光=バックライトで、手元のiPhoneを始め、ラップトップのディスプレイ、街中のサイネージ、デジタルフォトフレーム。全て逆光媒体なのです。
全て後ろからのライトによって、写真が照らされている状態です。(厳密に言うと液晶自体が写真を生成している)
それらの媒体で逆光の写真を見ることは
逆光 ✕ 逆光 になるわけです。
印刷媒体は逆光表現が苦手であるため、嫌われる傾向がありました。飛んだ白の部分にインクは乗らないか、あるいは限りなく白に近いインクを乗せて表現しています。
ディスプレイは255という値で、人間が逆光をリアルで見ているのと近しい鑑賞状態となります。
今後、「発光しないデジタル媒体」が出てくるので、また違った写真表現が生まれると思います。それはより紙に近く、かつデジタルの特性も備えるものとなるでしょう。
デジタルになって写真が終わったという人もいますが、媒体が変化する度に新しい写真表現が生まれてくるのだと思います。
今回はこのあたりで。
<撮影したカメラ>
夕陽の写真はおなじみシグマDPです。
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人物はライカQ。クロップしています。
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