簡単! LeicaM10Dのファームウェアアップデート方法

M10-Dは液晶が無いので、ファームウェアの更新に悩みます。

思ったより簡単でシンプルでしたので、備忘録も兼ねて、こちらに書いておきます。

ファームウェアは↑詳しいリンク貼っていますが、簡単に言うとデジタルカメラを制御しているソフトウェアです。メーカーによってはこのファームウェアの更新が頻繁にあり、バグの修正や、ピント能力の向上を行っています。カメラはどうしても機械的な”ハード”(ボディ)に制約される部分が大きいのですが、ファームウェアを最新に保つことで、ソフト(心)はいつでも新鮮で最新になれるということです。

ファームウェアアップデート手順

  1. ライカオフィシャルより、ファームウェアをダウンロード
  2. ライアで使用しているSDカードに、ファームウェアをコピー。ファイルの場所は最上階に。
  3. 電源オフの状態でカメラにSDを挿入。
  4. ファンクションボタンを押しながら、電源を入れる。
  5. ファインダー内の表示が「UP」→「END」になったら完了!

他のデジタルカメラ同様、簡単ですね。

アプリ開いてメニューから行うのかなとなんとなく思っていましたが、「ファンクション押しながらの電源オン」というちょっとしたスパイ道具的ギミックになっています。これは調べなければわかりません笑

ファンクションボタンは、シャッターボタンの右隣にある黒い丸ポチです。

写真が無くて申し訳ないですが、文字で書いてみると暗号的に響きます。

最後に恐ろしい注意書きです。

ご注意
ファームウェアのアップデート中は、カメラの電源を切ったり、SDメモリーカードを取り出したり、レンズを取り外 したりしないでください。
ファームウェアのアップデート中にこれらの操作を行うと、カメラが故障するおそれがあります。

気をつけてください。

旅の持ち物 – 福岡編

おなじみ?ミニマリストの旅の持ち物シリーズ。

モツ鍋を食べるために一泊二日で博多へ行ってきました。

東京から1.5時間。渋谷から高尾山に行くような感覚です。いやそれよりも手軽かもしれません。

海外でも手ぶらで行くくらいですから、福岡ももちろん手ぶらでいけます。しかし最近は移動しながら仕事するというのがマイブームなため、リュックにラップトップ持参スタイルです。空港での物書きや写真作業がこれがまた捗るんです。

以下、今回の持ち物リストです。今回、持ち物の写真を撮るタイミングが無くすみません。

  1. バックパック
  2. カメラ
  3. Macbook pro
  4. iPhoneXS
  5. ウォレット
  6. イヤホン
  7. 耳栓
  8. 吊るせるポーチ(マスク、目薬、洗顔セット)
  9. ノート
  10. ペン
  11. 充電器類

何度か持ち物系の記事を書いていますので、読者の方であれば既に見慣れたラインナップかもしれません。

今回、服の着替えはナシです。不潔で申し訳ございません笑

山小屋泊の登山をイメージしてみました(山小屋でも下着くらい持っていくわよって方、大変申し訳ございません)

具体的には、下着を山用のウェア(ウール系のショーツやソックス)にしています。登山ウェアというのは良くできていて、ウールや化繊系素材は抗菌・消臭作用があるとともに、発汗しても湿気を逃し蒸れにくく、快適さが維持されるように作られています。

結果、一泊二日全く問題ありませんでした。

旅の仲間には嫌がられそうですが、どこまで同じ服で行けるのか試してみたいところです。

以下内容を簡単にリストしておきますので、何かの参考になれば幸いです。

1. バックパック

新ロゴのグレゴリー。唯一持っているバックパック。PCスリーブがあるので使いやすい。旅も山も街でも快適。

2.カメラ

唯一使っているライカ。小さくて良く写る。

参考記事
たったひとつのカメラ
Leica M10-D のすべて

3.Macbook pro

ノマドたちの基本。屋外の土砂降りの雨の中でも使えるよう、防塵防滴になってくれないかと願っている。仕事上最近はウィンドウズOSのラップトップも気になっている。

4.iPhoneXS

少し大きいと思っていたサイズも、今では気にならなくなった。動画は全てiPhoneで撮影している。

5.ウォレット

キャッシュレス時代でそろそろ財布も消えそうだけど、現金な場面はまだまだ消えず。ミニマルなものを使用している。詳しくはこちらの章で。ミニマリストの財布の現在

6.イヤホン

Apple EarPods with Lightning Connector
Apple(アップル)
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ワイヤレスのエアーポッズ、ではないフツーのやつ。コードが絡まってそれをほどく姿はこれから見られない希少な光景になるのだろうか。コードをなかなか解けない人って、なんか哀愁あって良いと思うのは僕だけだろうか。それにしてもエアーポッズのノイズキャンセリング効果は素晴らしいようで、カフェで仕事するようなノマドグラファーには必須かもしれない。

7.耳栓

随分前に寝付きが悪い全ての人へという記事で書いたのですが、未だに使っています。飛行機の中でも快眠できますし、うるさいカフェでも良いかも。耳栓特有の違和感がなく、痛くなりません。エアーポッズは持っていないけれど、イヤープラグを愛用しているノマドグラファーです。

8.吊るせるポーチ(マスク、目薬、洗顔セット)

無印のを長らく使っています。家のバスルームで普段から使用して、旅に出る時はそのままジップしてパッキング、旅先のホテルでそのまま吊るして使用というなんとも便利なアイテム。中には歯磨きセット、マスク、目薬、リップクリームなんかを詰めています。

9.本

21 Lessons: 21世紀の人類のための21の思考
ユヴァル・ノア・ハラリ
河出書房新社
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大きな単行本フォーマットで持っていきました。サピエンス全史の著者ハラリによる新刊。サピエンス全史が人類の歴史にフォーカスしたものだとするなら、こちらは現代の人類が抱えている問題にフォーカスしている。ハラリハラリしながら読んでいます。

10.ノート

モレスキン ノート クラシック ソフト 無地 ポケット QP613 黒
MOLESKINE モレスキン (2014-10-23)
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書ければ何でも良いんだけれど、移動中はモレスキンの無地の小さいやつを持っていきます。モレスキンって意外にページ数多いので、一見割高な気がしますが僕の場合あまり使わないので2年くらい持ちお得感がある。普段ノートはデジタルで行うので、行き詰まった時や、集中して読書ノートを取る時など、あえて紙とペンというすらすら書けない状態に持っていくことで(有限化して)思考環境に変化を与えています。

11.ペン

プレゼントで頂いたパーカーのボールペン。フランス製品らしく控えめでミニマルで美しく、とても気に入っている。以前はラミーもよく愛用していたけれど、現在ペンはこれ一本。

番外編:ウェア

下着・ソックス類はスマートウールを使っています。山ではもちろんですが、街でも最高です。値段は少しはりますが、素材感、耐久性、機能性を考えるとミニマリストにはもってこいのアイテムです。トラベラーのみならず、ネイチャー系のフォトグラファーにも愛用者の多いブランドです。

それではまた。

レンジファインダーカメラを最大限に楽しむ設定

Setting of Rangefinder Camera

今回はレンジファインダーを楽しむための設定について考えてみます。

レンジファインダーとは?

レンジファインダーカメラとは、光学視差式距離計が組み込まれており、距離測定に連動して撮影用レンズの焦点を合わせられるカメラのことである。レンズの繰り出し量などを測定することで合焦装置と光学距離計を連動させ、スプリットイメージや二重像の重ね合わせによりピント合わせを行う。

Wikipedia

レンジファインダーの利点

・一眼レフより断然コンパクト
・ミラーが無いので、ミラーショックが発生せず、低シャッター速度でもブレにくい
・シャッター音が小さい
・ファインダーが光学式であるため、被写体をそのまま見ることができる

などが上げられます。

レンジファインダーの欠点

・パララックスが発生する(ファインダーの像と出来上がる写真の構図に微妙なズレが生まれる)
・レンズキャップをしたままでもシャッターが切れる
・マクロ撮影が苦手(最短撮影距離が長くなる)

などが上げられます。

しかし、最近のデジタルなレンジファインダーであれば、パララックスの補正機能がついていたり、マクロモードがついていたりと、それらの弱点をほぼカバーできるような構造になっています。

Shibuya 2019 ©tokimaru / Leica M10-D, summicron50mm

カルティエブレッソンの設定で

20世紀を代表するフランスの写真家に、アンリ・カルティエ・ブレッソンという人がいます。

写真をしている人であればほぼ知っている写真家でしょう。

ストリートやドキュメンタリー写真を中心に活躍し、多くの名作を残しました。グローバルな写真家集団「マグナム・フォト」の設立者のひとりでもあります。

レンジファインダーを楽しむ最も簡単な方法は、ブレッソンのセッティングをそのまま真似ることです。

M型ライカに50mmレンズであればほぼ同じですが、他のカメラでも構いません。そして

シャッタースピードは1/125、絞りF8、iso100、距離5mに設定します

あとは好きな瞬間をフレーミングして、シャッターを押せば写真ができあがります。

ブレッソンはこの設定で固定し、人物の動きが最も美しい配置を構成する瞬間を狙ってシャッターを切っていました。

この設定で絞りを8まで絞ると、3m~12mくらいまでピントが合います。ほぼパンフォーカス的になるので、ピント合わせの必要がないということです。(感覚的に微調整はしますが)この手法をゾーンフォーカスシステムといい、多くのストリートフォトグラファーの間で使われています。

露出にシビアになりすぎないこと

レンジファインダーを楽しむコツは、露出にシビアになりすぎないことです。

ブレッソンの設定で撮ると、必ずしも適正露出で撮影できるとは限りません。

過去に、この記事で16ルールについて書きました
これ1つでOK、フィルム写真の露出の決め方

ブレッソン設定のポイントは、ネガフィルムの感覚でデジタルを使うというところにあります。

Roppongi, Tokyo 2018 ©tokimaru / Fujifilm x100f

写ルンですの気分で

ネガフィルムで設定不要のカメラと言えば、写ルンですがあります。

僕はライカをちょっと重い写ルンですと捉えています。(値段はさておき)

レンジファインダーは見えていることで速写が可能になるということは前にも書きました。

写ルンです同様に、カメラの設定は固定しておいて、撮る瞬間はただ押すだけです。

デジタルであればrawで撮影することにより、ある程度の露出差は後処理でカバーできます。これは写ルンですの適当なネガを、ラボの現像処理で適正まで持っていくやり方となんら変わりません。写ルンですをお店で現像すると、なんとなくちゃんと仕上がって来ますよね。あれは撮影時にきちんと撮れているわけではなく、バラバラな露出をラボの現像機で自動調整しているのです。

また、最近のデジタルカメラのレンジは広いので、ネガフィルムのラティテュードに匹敵するか、それを越える可変域があります。

個人的には、後処理さえしないという方法もおすすめです。後処理をしないということについてはこちらの記事で書いています。
現SNS時代に、あなたの写真を7倍良くする、たった1つの方法

好みのトーンのカメラをjpec撮って出しで使えば、状況によっては、現場の雰囲気がよりリアリティを持って立ち現れてくる場合があります。

そんな人の写真を見ると、グッと動かされる何かがあるのです。

ちなみに今回の設定は、晴天の日中・屋外、という条件でのみ使えます。

その他の条件でおすすめのセッティングはnoteで書いていますのでこちらもどうぞ。

Leica M10-D のすべて

All about Leica M10-D

先日Leica M10-Dのショット数が10000枚に達しました。

レビュー的なブログはしばらく使ってからにしようと思い、10000枚というラインをなんとなく設けていました。

こちらでも書いたように依頼仕事でも、日常でもこればかり使ってきたため、案外早く達してしまいました。

Leica M10が発売され、お決まりのごとくLeica M10-Pが発売され、Leica M10-Dが登場しました。デジタルなのに液晶を排除するという流れは、M-Dというモデルからはじまりましたが、M10-Dはその流れを組む完成形のモデルだと思います。

以下、使用感まとめます。それぞれリンクよりどうぞ。

1,Leica M10-D の携行性

leica camera

フィルムライカと同じサイズに。そして他のカメラには無いサイズに対するフルサイズセンサーという優位性があります。

2,Leica M10-D の操作性

leica M10-D

フルマニュアルで直感的な操作ができるのが最大の特徴です。シンプルでミニマル、道具として使えば使うほど、身体化できます。

3,Leica M10-D の速写性

leica finder

レンジファインダーの魅力を再確認しました。

4,Leica M10-D の描写性

depiction of m10d

描写はレンズによって決まりますが、センサーでも決まります。M10-Dはとても心地よいセンサーを積んでいます。

5,ズミクロンについて

summicron 50mm

ズミクロンの使用感について述べています。無人島にひとつだけ持っていくレンズを選べ、と言われたらおそらくこれを選択します。

6,Leica M10-D の堅牢性

leica m10d top

M10-Dの耐久性について書いています。

ライカについての読みもの

たったひとつのカメラ

Summicron 35mm ASPH. レビュー

Leica M10-D センサークリーニング方法

簡単! LeicaM10Dのファームウェアアップデート方法

レンジファインダーカメラを最大限に楽しむ設定

再会して再開する、M10-D

フォーカスが速い、ということ

noteでは設定や使用法をさらに詳しく解説し、作例も交えた完全版として更新中ですので、これからライカを使いたい方や、深く学びたい方はあわせてどうぞ。

leicam10-d

M10-D テクニカルデータ

  • 製品名 : Leica M10-D (Typ 9217)
  • 型式 :レンジファインダー式デジタルカメラ
  • レンズマウント :ライカMバヨネットマウント方式
  • 使用レンズ :ライカMレンズ
  • ファインダー形式 :大型ブライトフレームファインダー/レンジファインダー、パララックス自動補正機能付き
  • 画像処理エンジン :LEICA MAESTRO(ライカ・マエストロ)II
  • 撮像素子 :CMOSイメージセンサー、約24 x 36mm、2400万画素
  • ISO感度 :ISO100~50000相当
  • 記録媒体 :SDメモリーカード(2GBまで)、SDHCメモリーカード(32GBまで)、SDXCメモリーカード(2TBまで)
  • バッファメモリー :2GB
  • WLAN :WLAN機能はアプリ「Leica FOTOS」との組み合わせでのみ使用可能。アプリはApple App Store(TM)またはGoogle Play Store(TM)で入手可能。
  • 本体 :マグネシウム合金ダイカストのフルメタル、レザー外装、トップカバーおよびベースプレート:真鍮製、ブラッククローム仕上げ
  • 660g バッテリー含む
  • 139x80x37.9 幅、高さ、奥行き

ライカの購入は多数の取り扱い実績と、中古品のオフィシャルメンテナンスもしっかりしているマップカメラが個人的にはおすすめです。

ご案内

twitter : @tokimarutanaka
instagram : @tokimarutanaka
note : Tokimaru
store : TOKIMARU ONLINE
YouTube : Tokimaru Tanaka

ズミクロンについて

All about Summicron 50mm

ライカと言えばエルマーとズミクロン。これについては多くで語られているので、僕が新たに語るべきことは何もないように思える。

それにしては随分背伸びしたタイトルで、個人的な経験からその魅力を少しでも描き出せるように。

フィルム時代は2ndを使っていたが、今回M10-Dにアップデートするにあたり、ズミクロンも新型にしてみた。

新型といっても現行は1994年の発売。僕がロックさえも聞いていない、米米CLUBやシャ乱Qやモーニング娘。の古き良き時代の製品だ。

光学設計は1979年から変わっていない。そんなレンズが2020年のデジタルカメラで難なく使えてしまうのが驚きである。それは描写性の回でも述べたように、センサーのほうをレンズに合わせて開発しているからこそなせる業なのだろう。

50mmと言えば、標準レンズのド定番。引けば広角的にも使え、寄れば圧縮感も表現できる。逆に、人間の視覚に近いので、一見面白味に欠ける画角でもある。

開放からキレる。F4まで絞れば、周辺も解像感も十分だ。

summicron 50mm

中口径、高画質、小型で軽量という、バランス感が良い。重さは240グラム。

描写はリアリティにあふれて、シリアスな印象もある。都市のドキュメンタリーに相応しいけれど、自然や有機物も写る。

Ginza, Tokyo 2019 ©tokimaru

柔らかな雰囲気のポートレートから、鋼鉄多めの建築写真までいけるオールマイティさがある。

思いつくままに印象を書いてみた。正直に言うと、これ一本で良いんじゃないかと思っている。

デイリーユースの画角を、50mmと35mmで迷っている人は多いように思う。フォトグラファーの永遠の課題と言っても良い。

両方経験すれば好みがわかってくるので、好きな方を使えば良いと思う。

Tokyo 2019 ©tokimaru

最初の一本を選ぶなら、今なら僕は50mmをおすすめする。

カメラを始めたばかりの人なら、ボケ感がしっかり出るから。

そして広角側は誰もが持っているiPhoneで撮れるから。(iPhoneの画角は28mmくらい)
だから、50mmを使うことで、iPhone写真と差別化できる。使い分けもできる。

描写に関しては、いくら文章で云々書いても伝わらない。

どのレンズにも言えることだが、自分で使って撮ってみるのが最も手っ取り早い。ただ写真から感じるしかない。

Leica M10-D のすべてにもどる

Leica M10-D の操作性

Operability of Leica M10-D

フルマニュアルで直感的な操作ができるのがM型ライカの大きな特徴だ。

電源を切っていても、シャッタースピード、絞り、iso、ピントと撮影に必要な要素全てを調節できる。これはフィルムカメラを使用しているような感覚を与える。そして一度この感じに慣れてしまうと、他のカメラに戻れない使いやすさがある。

そして使えば使うほど操作が習熟して、いい写真がとれるようになる。身体に馴染む、身体的とも言える。

M10-Dには液晶画面すら無い。

極限にミニマルなカメラという印象を受けるが、カメラとは本来そういうものではなかったか。

デジタルで液晶ナシというのは、最初は「バカだな〜それ使う意味ある」という失笑を自分にも向けてしまうほどだった。しかし、使っていくと、もう液晶いらないなと思うようになった。(テレビを無くしたミニマリストが、テレビなしの生活が心地よくなるように)

液晶が無いと、現場に集中できる。というより、現場に集中するしかなくなる。時間をあけてラップトップで確認することは、フィルムを現像に出してネガを確認する感覚にとても近い。

もっとデジタルに使いたければ、Wi-Fiとアプリを使えばいい。Fotosというアプリにて、撮ってすぐに現場でもカフェでも確認できる。リモート・テザリング的な使い方も可能だ。バッテリーを食うので、個人的にはおすすめはしないけど。

アナログとデジタルの融合、それがM10-Dのテーマのようだ。

設定項目もシンプルだ。

ホワイトバランスや、撮影モードの変更もアプリを通してiPhoneで行う。カメラ本体では、アナログな項目しか設定できない。逆に言えば、それだけが写真を撮るために必要な選択であると言える。

また、M10-Dには当たり前のように動画機能はない。最近のカメラは写ルンです以外は全て、動画モードがついているようなものだ。機構的にはM10と同じであるから、つけれないことは無いのだろうが、意図的に35mm写真だけを創造する原点回帰となっている。

巻き上げ型サムレストが、ホールド感を高めている。フィルムカメラのように、サムレスト自体に機能は無い。言えばただの飾りだ。

しかし、それがあると無いのとでは、グリップ感に大きな違いが出る。片手でも撮影できる。アフォーダンスのあるデザインとは、一見無駄に思える機構に宿るようだ。

Leica M10-D のすべてにもどる

たったひとつのカメラ

Just one Leica

最近はライカ1台と50mmレンズ一本で、写真している。

これまで多くの機材やカメラを使ってきたけれど、保管庫もカメラバッグもすべて処分してしまった。残ったものは一台のライカだけで、それは常に作業デスクの上が定位置で、首からぶら下げたりして持ち歩いている。

依頼された仕事でも使えれば使い、日常の記録も、パーソナルなプロジェクトも全てこれ一台で行っている。

哲学者の千葉雅也さんが、有限化について述べている。

喫茶店にいくと、そこに永遠にいるわけにはいかない。いつかはお店を出なければならないという制限がかかる。その中で一定のタスクを仕上げなきゃいけないという暗黙の圧によって作業が進むんです。喫茶店に行くというだけで、すごく大きな意味でポモドーロテクニックが起動する。

千葉雅也 – 書くための名前のない技術

カフェで作業や物書きをすると、なぜか捗るという経験は、小説家でなくてもあるだろう。カフェに永遠にいることはできない。店はいつか閉まるし、座りすぎてお尻が痛くなることもあるし、お腹がすいてラーメンを食べたくなる時だってある。そのような制限が強制的に働くおかげで、作業に集中することができる。

カメラを一つしか所有しないことも有限化だ。

写真を始めたばかりの人が、多機能なカメラや、多くのレンズ(ズームレンズも)を最初から使うと、どれをどのように使えばよいのか、使い方に迷うことがある。使い方に迷っているうちに、撮りたい瞬間を逃したり、条件下で最適なパフォーマンスを発揮できなくなる。

ただ押すだけで良い”写ルンです”は有限化の極地だ。何も考えずただ押せば良いので、そのぶん瞬間や被写体に集中できる。

カメラとレンズが1つしかないと、様々な段階で迷いがなくなる。依頼された仕事もそれ一台でどのように取り組むべきかを考え、あとは光と環境と状況を読むことに集中できる。

写真は選択で成り立っている。被写体を選んで、カメラを選んで、レンズを選んで、焦点距離を選んで、絞りやシャッタースピードを選んで、ピント位置を選んで、構図を選んで、タイミングを選んで、一枚が撮影される。撮影された後の編集のプロセスも、無限の選択可能性に満ちている。(ソフトは、パラメータは、トリミングは…)最も重要なセレクトは、選択そのものだ。

一台のカメラを使うことは、それらの選択を含めて有限化することである。

ライカを選んだ理由はnoteに余地を残しておくとして、ここでは一つ、”小さいこと”を上げておこう。

一日は無数の瞬間で成り立っている。この瞬間のほとんどはすぐに忘れ去られるが、稀に永遠に記憶されるようなタイミングが訪れることがある。どの瞬間が残るのかは、後にならないとわからない。だから常にカメラを持ち歩く必要がある。

小さくてどこへでも持ち歩けると、まだ見知らぬ人や景色に出会う機会が多くなる。ただ人生を記録するだけでなく、カメラを介して人と出会うことで人生は豊かになる。

コンパクトで耐久性があり、よく写るカメラが一台あれば、他には何もいらない。

あとは「いつでもどこでも良い写真が撮れるはずだ」という気分と、ハンドクリームくらいあればいい。