iPhoneでRAW撮影を行う方法

こんにちは、ときまるです。

誰もが日常的にiPhoneでの撮影を楽しんでいると思います。春一番が吹いていますので、いろんな物が飛ばされるという面白い瞬間を狙うには良い季節かもしれません。

僕はミニマリストですので、たとえばカメラも全て捨ててしまったらどうだろう?なんてことを日常的に考えるわけです。

iPhoneのカメラだけで全てが撮影できたらどれだけ良いだろうかと。

でも実際に、職業的なフォトグラファーでもない人はもうiPhoneのカメラだけで生きているわけで。

職業的なフォトグラファーでさえ、日本や米国にもiPhoneだけで撮影している人は実際にいます。ただこの場合は作家的な考えで”あえて”そのようにしているという印象です。

iPhoneのOSが11くらいになったころから、HEICというフォーマットが採用されました。

HEICはiPhone独自のフォーマットで、JPEGよりも軽くて高画質というファイルです。しかしパソコンで簡単にプレビューができません。一度jpegに変換してから、写真を操作することになります。

僕はこれが面倒で嫌いで、HEICは使っていません。基本的にJPEGで撮影しています。

iPhoneだけを持ち歩いて撮影する際に、HEICではなく、RAWで撮れたなら!と思っているフォトグラファーは多いはずです。

今回はその方法を紹介します。

ライトルームアプリを使う

結論から言うとこれです。

このブログでも何度か書いていますが、ライトルームCCを使用します。

写真管理・編集が、クラウド上でできるフォトグラファー必須のアプリなので入れておいて損はないと思います。写真系はこれひとつあればもう何もいらないくらいです。

あとは

「アプリ内のカメラで、DNGを選択して撮影する」

これだけで、RAW撮影ができます。

Digital Negative(DNG)は、様々なデジタルカメラで生成される RAW ファイル用の公開アーカイブ形式です。この形式は、各カメラモデルによって作成された RAW ファイルのオープン標準の欠如に対応し、ファイルへのアクセスを簡単にします。

adobe

RAWファイルは、実はカメラメーカーが独自に持っているファイル形式です。キャノンならキャノンのRAW、ニコンならニコンのRAWという風に。だから編集する時にそれぞれ別のソフトが必要になったり、設定のパラメータが異なったりと、いろいろと面倒なわけです。

だからメーカーの垣根を超えて、同じ言葉で行きましょうよというノリのファイルがDNG。

JPGよりも多くの情報を含んでいるという点ではRAWと同じです。そしてライカ、リコー、ペンタックスなどは既にDNGファイルを採用しています。

アプリの操作

標準のiPhoneカメラくらいに、ライトルームアプリでの操作は簡単です。

アプリ開いて、右下のカメラマークでカメラが起動します。

↑赤丸をタップでJPGかDNGかを選べます。

右側は上から順に、フィルター、露出ロック、広角か望遠か(青丸)を選べるようになっています。

シャッターボタンの下には、

AUTO
PRO
HDR

が選べます。オートはその名の通り、自動モード。HDRはハイダイナミックレンジ合成モードで、露出さの激しい場面で自動的に補正した写真を作ってくれます。

PROモードがなかなか凄くて、iPhoneなのに(と言ったら失礼ですが)

・マニュアルフォーカス
・ホワイトバランス
・ISO
・シャッタースピード
・露出補正

の項目を設定できます。

iPhoneでマニュアルフォーカスできるのは新鮮です笑
しかもどこかのミラーレスカメラにありそうな、キーピングでピントの合っている範囲をグリーンの輪郭が表してくれます。

フィルターもなんやかんやついてますが、なかなか使えそうです。

JPGとDNG写真を比較してみる

実際にJPEGとDNGで撮影した写真を比較してみたいと思います。

今回検証するのは3つのファイル。

1、iPhoneの標準カメラで撮影したJPG

2、ライトルームのアプリ内カメラで撮影したJPG

3、ライトルームのアプリ内カメラで撮影したDNG

の3つです。

まず、上から順に、何も補正せずに撮影した写真を横1000px、90%のクオリティで書き出したものを掲載します。

1, iPhone Camera JPG
2, Lightroom Camera JPG
3, Lightroom Camera DNG

ここでの気付きは

・iPhoneカメラ、白が少しトーンジャンプがかっている

・ライトルームで撮影した2枚は、シャッタースピードが1/200になり、iPhoneよりも若干アンダーめの露出になっている。

・DNGのファイルサイズが他にくらべて巨大(12.56MB)

ということでしょうか。JPGどちらも秀逸です。DNGは生のファイルですので、シャープネス等が自動でかからない分、この段階ではJPGの方がキレ良く見えます。

それではそれぞれを適正露出まで持ち上げ、トーンをつくってみます。

1, iPhone Camera JPG
2, Lightroom Camera JPG
3, Lightroom Camera DNG

これだけオクラと真剣に向き合っているのは、私も始めての経験です。

それぞれ露出を1.5プラスました。

このサイズ感で見ると、iPhoneカメラ優秀ですね。最初からシャープネス強めなので、くっきり鮮やかに見えます。

逆に言うとライトルームカメラはナチュラルな表現が得意なように見えます。

シャープネスやコントラストは低い→高いの調整はできますが、高い状態から→低く設定することは難しいのが特徴です。破綻が出やすいです。

つまりDNGで撮影することは「ナチュラルから硬めまで、表現の幅がある」と言えます。

100%で寄って見てみます。

1, iPhone Camera JPG

2, Lightroom Camera JPG

3, Lightroom Camera DNG

1のiPhoneではカリカリのノイズ感、2のライトルームJPGもわずかに毛の周り表面のディティール崩れがあり、3のDNGはペーパーにノイズが乗っていますが、オクラ自体はしっとりしてリアルに描写されています。

結論

これくらいの鑑賞条件ではさほど差は出ませんでした。

しかしDNGファイルの利点は「ホワイトバランスの可変域の広さ」にあります。これはじつは他のカメラメーカーのRAWファイルも同様で、RAWで撮影しているフォトグラファーは誰もが理解している部分だと思います。

JPEGだと色調整が出来ず、すぐに画像が破綻してしまいます。

撮影した環境の光がそのまま反映されるということです。

DNGで撮影することで、後処理により、暖色に振ったり寒色にふったりすることができるようになります。

天候や光の条件に左右されずに、自分の出したい色を出せるということです。

これだけでもiPhoneでRAW撮影を行うメリットは十分にあるのではないでしょうか。

iPhoneで撮影している方はぜひ自分で試して、色々いじって見てください。

私はこれからここで登場したオクラを茹でて食べようと思います。

それではまた。

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逆光写真を撮る!3つのコツ

こんにちは、ときまるです。

最新iPhoneの三つ目カメラ随分良さそうですね。周りでも増えてきています。

最近のスマホやデジカメは逆光を自動で補正するようにプログラムされています。iPhoneは標準でHDR(High Dinamic Range)モードも搭載されており、明るい部分と暗い部分をいいとこ取りした表現が誰でも可能です。

それでもなんとなく、逆光が上手く撮れない。苦手だな〜と感じている方は多いのではないでしょうか。

今回はフォトグラファー視点から、逆光写真の撮り方のポイントをまとめてみます。

具体的な設定と、理論的な話も最後に少ししてみます。これを知っておけばもう逆光を恐れることはなくなります。

光に対してどこまでも突き進んでください。笑

無理に明るくしない

教則本や写真教室でよく言われるのが

「逆光の時は、露出補正をプラス1〜2に設定して撮りましょう」

というものです。

確かにこれは間違いではありません。(次のトピックではこちらの理論を使用しています)

しかし、どのような逆光かを見極めるということが重要です。全てにおいて、逆光=プラス補正ではないことを覚えておきましょう。

例えばこちら

ビーチで子どもたちが遊んでいる写真です。

露出補正無しで撮影しています。

この条件で、人物に明るさをあわせてしまうと、「夕陽感」が損なわれていまいます。

太陽の輪郭が損なわれないくらいの露出で、完全に人物は黒く潰れています。

それでも夕暮れの雰囲気や、子供たちの遊んでる、”なんかやってる感”が出ていると思います。

無理に明るくせず、影や輪郭による逆光表現を楽しむ。

これが1つめのポイントです。

直射でない時は、人物の明るさを出してもよし

さてふたつ目の例です。

見出しの通り、逆光が直射光でない時は、人物の明るさに露出を合わせると良いでしょう。

このような例です。

露出補正なし
露出補正+1

後ろがカーテンで、光が拡散され、柔らかな逆光が差している条件です。

このような条件では、定番通り、露出補正をプラス側に振って撮影します。

人物の表情も出て、画面全体も明るくなります。

なぜ「直射でない時は」という条件なのかは、太陽光が入ってしまうと場合によっては部分的に飛んでしまうからです。

もちろん、屋外のド逆光で、髪の毛だけがハイライトされる人物写真もありと言えばありです。ハマれば美しい写真になるでしょう。しかし条件によっては難易度が高いということは覚えておいてください。

逆光で人物を撮るメリット

逆光でポートレートを撮るメリットはいくつかあります。

  • 肌がきれいに見える(荒れを隠せる)
  • 柔らかい雰囲気を出せる
  • モデルが眩しくないので、目を開けていられる

主にこのような利点があげられます。

デジタルと逆光写真の相性の良さ

3つめは理論的な話になりますが、デジタルでの表現と、逆光写真の相性は実は意外に良いという点。

このようなツイートをしました。

ディスプレイは逆光写真との相性が良い。紙媒体は逆光表現が苦手だけど、ディスプレイはそれ自体が発光しているので、私たちのスマホでの鑑賞環境は常に逆光となるからだ。
これから先、新たな媒体が出る度に写真表現も変わると思う。

Tokimaru

僕たちはいつの間にか、全ての写真を逆光で見るようになりました。

逆光=バックライトで、手元のiPhoneを始め、ラップトップのディスプレイ、街中のサイネージ、デジタルフォトフレーム。全て逆光媒体なのです。

全て後ろからのライトによって、写真が照らされている状態です。(厳密に言うと液晶自体が写真を生成している)

それらの媒体で逆光の写真を見ることは

逆光 ✕ 逆光 になるわけです。

印刷媒体は逆光表現が苦手であるため、嫌われる傾向がありました。飛んだ白の部分にインクは乗らないか、あるいは限りなく白に近いインクを乗せて表現しています。

ディスプレイは255という値で、人間が逆光をリアルで見ているのと近しい鑑賞状態となります。

今後、「発光しないデジタル媒体」が出てくるので、また違った写真表現が生まれると思います。それはより紙に近く、かつデジタルの特性も備えるものとなるでしょう。

デジタルになって写真が終わったという人もいますが、媒体が変化する度に新しい写真表現が生まれてくるのだと思います。

今回はこのあたりで。

<撮影したカメラ>

夕陽の写真はおなじみシグマDPです。

人物はライカQ。クロップしています。

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縦位置でフレーミングすること、あるいはデジタルサイネージについて

object 2020 ©tokimaru

こんにちは、ときまるです。

縦位置で写真を撮ることは、案外難しい。なぜなら、カメラは横位置で撮るようにデザインされているから。

そんなツイートをしました。

ほとんどのカメラが、構えた時に、右側にシャッターボタンがあり、左手でボディとレンズを支える構造になっている。

左利き用のエレクトリックギターというものは、ジミヘンを筆頭にごく普遍的にこの世に存在するが、左利き用のカメラというものは存在しない。(特注生産で一部作られたりはしているのだろうけれど、僕はまだ見たことがない。)

縦位置にカメラを構えるということは、不自然さを享受するということであり、身体能力を使うことだ。

object-2020

「作品を撮るのは簡単だよ。全部縦でとればそれは作品だ」

とは誰の言葉だったか。

あながち間違いではないように思える。

人物を撮りたい人であれば、自然と縦位置のフレーミングを覚えるだろう。人は縦に長いから、あるとき縦で撮ったほうが収まりが良いことに気づく。

しかし風景しか撮らない人は、縦にする理由が何一つない。だから縦にカメラを構えるとなんとなく落ち着かないということが起こる。

作品の話に戻るけれど、縦位置はコンテンポラリーの作家に多用されているため、ただ縦にするだけで写真がコンポラ感を帯びてくる。縦にした瞬間に、作品化しようとする撮影者の意図が見えてしまう。作為的写真。

だけどそのような写真はコンポラ感を”帯びている”だけで、コンテンポラリーの領域に入れる写真は少ないように思う。僕はと言えば、ヴォルフガング・ティルマンスなんかが大好きで、彼の写真をみて育ってきたものだから、縦位置にするとなんとなくいつも彼のイメージが脳裏をかすめたりする。

あとは歴代のファッション写真。面白いことに、ファッション写真は本来たて位置で撮影されるべき体裁であるが故、それが横位置になると逆に凄みを増すということが起こる。スティーヴンメイゼル、ティム・ウォーカーにグレンルッチフォード、アニー・リーボヴィッツ。大人数で劇場型になるほど、画面構成上、横位置が求められる。

縦がコンポラとファッション写真だとすれば、横位置はドキュメンタリーだと思う。35mm判でのアラーキーや、ストリート系のゲイリーウィノグランドやジョエル・マイロウィッツは横位置が多い。ナン・ゴールディンやアントワンダガタも横の印象が強い。

ジャンルに限らず、縦のフレーミングが上手い人は、ただ上手い。きっと縦で撮らせても上手い人が、写真の上手い人なのだろう。

幸いなことに、iPhoneのおかげで私たちは縦位置でフレーミングする機会に恵まれている。カメラの機構により横位置を強いられるのと同じで、スマホのデザインにより私たちは縦位置写真を強いられてるのだ。デザインによるフレーミングの有限化。

今、街中のデジタルサイネージが随分増えてきた。

それらは多くが縦型なのだ。(駅の構内にある)

ムービーのキャメラマンは、縦位置のフレーミングが苦手だ。彼らは35判の2×3よりワイド、16:9(今では更に横長のフォーマットも)に慣れているためだ。写真は元々、映画用のフィルムの”余り”で撮られていた。

そういう意味では、あの街中でのサイネージ広告の仕事は、フォトグラファーあがりのビデオグラファーが担当した方が、場合により効果的なのかもしれない。フォトグラファーは縦位置も難なくフレーミングできるだろうから。商業写真家にとっては、ひとつの受注チャネルになり得る。

そのように考えると、映像は有限性のメディアだなと思う。禁欲のメディアと言ってもいい。

フィルムやセンサーに縛られて、カメラやレンズという機構に縛られる、プロダクション過程では暗室やソフトウェア、PCに制限され、そして最終のアウトプットの形態では、雑誌、紙、ビニール、鉄、プラ、液晶に、縛られているのだから。

ここまで縛られていて、時代により完パケ形態がありとあらゆるものに変化するのなら、逆説的にそれは自由のメディアなのかもしれない、とも思う。

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ストロボ用電池にエネループプロを使う理由

フォトグラファーのみなさん、エネループはお使いですか。

プロの方はこれ一択というくらいに、みんな大好きエネループですよね。