Leica M10-D のすべて

All about Leica M10-D

先日Leica M10-Dのショット数が10000枚に達しました。

レビュー的なブログはしばらく使ってからにしようと思い、10000枚というラインをなんとなく設けていました。

こちらでも書いたように依頼仕事でも、日常でもこればかり使ってきたため、案外早く達してしまいました。

Leica M10が発売され、お決まりのごとくLeica M10-Pが発売され、Leica M10-Dが登場しました。デジタルなのに液晶を排除するという流れは、M-Dというモデルからはじまりましたが、M10-Dはその流れを組む完成形のモデルだと思います。

以下、使用感まとめます。それぞれリンクよりどうぞ。

1,Leica M10-D の携行性

leica camera

フィルムライカと同じサイズに。そして他のカメラには無いサイズに対するフルサイズセンサーという優位性があります。

2,Leica M10-D の操作性

leica M10-D

フルマニュアルで直感的な操作ができるのが最大の特徴です。シンプルでミニマル、道具として使えば使うほど、身体化できます。

3,Leica M10-D の速写性

leica finder

レンジファインダーの魅力を再確認しました。

4,Leica M10-D の描写性

depiction of m10d

描写はレンズによって決まりますが、センサーでも決まります。M10-Dはとても心地よいセンサーを積んでいます。

5,ズミクロンについて

summicron 50mm

ズミクロンの使用感について述べています。無人島にひとつだけ持っていくレンズを選べ、と言われたらおそらくこれを選択します。

6,Leica M10-D の堅牢性

leica m10d top

M10-Dの耐久性について書いています。

ライカについての読みもの

たったひとつのカメラ

Summicron 35mm ASPH. レビュー

Leica M10-D センサークリーニング方法

簡単! LeicaM10Dのファームウェアアップデート方法

レンジファインダーカメラを最大限に楽しむ設定

再会して再開する、M10-D

フォーカスが速い、ということ

noteでは設定や使用法をさらに詳しく解説し、作例も交えた完全版として更新中ですので、これからライカを使いたい方や、深く学びたい方はあわせてどうぞ。

leicam10-d

M10-D テクニカルデータ

  • 製品名 : Leica M10-D (Typ 9217)
  • 型式 :レンジファインダー式デジタルカメラ
  • レンズマウント :ライカMバヨネットマウント方式
  • 使用レンズ :ライカMレンズ
  • ファインダー形式 :大型ブライトフレームファインダー/レンジファインダー、パララックス自動補正機能付き
  • 画像処理エンジン :LEICA MAESTRO(ライカ・マエストロ)II
  • 撮像素子 :CMOSイメージセンサー、約24 x 36mm、2400万画素
  • ISO感度 :ISO100~50000相当
  • 記録媒体 :SDメモリーカード(2GBまで)、SDHCメモリーカード(32GBまで)、SDXCメモリーカード(2TBまで)
  • バッファメモリー :2GB
  • WLAN :WLAN機能はアプリ「Leica FOTOS」との組み合わせでのみ使用可能。アプリはApple App Store(TM)またはGoogle Play Store(TM)で入手可能。
  • 本体 :マグネシウム合金ダイカストのフルメタル、レザー外装、トップカバーおよびベースプレート:真鍮製、ブラッククローム仕上げ
  • 660g バッテリー含む
  • 139x80x37.9 幅、高さ、奥行き

ライカの購入は多数の取り扱い実績と、中古品のオフィシャルメンテナンスもしっかりしているマップカメラが個人的にはおすすめです。

ご案内

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Leica M10-D の堅牢性

Robustness of Leica M10-D

触れてみればその頑丈さがわかる。重く、冷たく、硬い。

M型はフィルム時代から、その耐久性は一生モノと称されてきた。デジタルも同様に、ちょっとやそっとじゃ壊れない、長く使えそうな雰囲気がある。M10-Dに関して言えば、割れる液晶画面すら無いので、その耐久性はフィルム時代を追従しているのではないだろうか。

マグネシウム合金ダイキャストのフルメタル。トップとベースプレートは真鍮製のクローム仕上げ。ペイントではないので、塗装剥がれは発生しない。そして防塵防滴シーリング。

M10は合成レザー、Dはなぜかリアルレザー。その差別化、必要だろうか。

ライカで釘を打てるとか、振り回せば武器になるとか、物騒な都市伝説は尽きることを知らない。しかしどれも現実になり得る。

先日手元のボディが、10000シャッターに達した。

動作トラブルは一度も起きていない。今後続けて使っていくことが、デジタル機におけるリアル耐久性テストとなりそうだ。

最後にライカPMDのステファンの言葉を引用しておく。

ライカはカメラマンの為の道具ですから、贅沢品という風には位置づけていません。それでも高いと言われることもあるのですが、それは真面目に材料や部品を選び、職人の手で一台一台作り上げたらこうなったのです。

– Stefan Daniel

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ズミクロンについて

All about Summicron 50mm

ライカと言えばエルマーとズミクロン。これについては多くで語られているので、僕が新たに語るべきことは何もないように思える。

それにしては随分背伸びしたタイトルで、個人的な経験からその魅力を少しでも描き出せるように。

フィルム時代は2ndを使っていたが、今回M10-Dにアップデートするにあたり、ズミクロンも新型にしてみた。

新型といっても現行は1994年の発売。僕がロックさえも聞いていない、米米CLUBやシャ乱Qやモーニング娘。の古き良き時代の製品だ。

光学設計は1979年から変わっていない。そんなレンズが2020年のデジタルカメラで難なく使えてしまうのが驚きである。それは描写性の回でも述べたように、センサーのほうをレンズに合わせて開発しているからこそなせる業なのだろう。

50mmと言えば、標準レンズのド定番。引けば広角的にも使え、寄れば圧縮感も表現できる。逆に、人間の視覚に近いので、一見面白味に欠ける画角でもある。

開放からキレる。F4まで絞れば、周辺も解像感も十分だ。

summicron 50mm

中口径、高画質、小型で軽量という、バランス感が良い。重さは240グラム。

描写はリアリティにあふれて、シリアスな印象もある。都市のドキュメンタリーに相応しいけれど、自然や有機物も写る。

Ginza, Tokyo 2019 ©tokimaru

柔らかな雰囲気のポートレートから、鋼鉄多めの建築写真までいけるオールマイティさがある。

思いつくままに印象を書いてみた。正直に言うと、これ一本で良いんじゃないかと思っている。

デイリーユースの画角を、50mmと35mmで迷っている人は多いように思う。フォトグラファーの永遠の課題と言っても良い。

両方経験すれば好みがわかってくるので、好きな方を使えば良いと思う。

Tokyo 2019 ©tokimaru

最初の一本を選ぶなら、今なら僕は50mmをおすすめする。

カメラを始めたばかりの人なら、ボケ感がしっかり出るから。

そして広角側は誰もが持っているiPhoneで撮れるから。(iPhoneの画角は28mmくらい)
だから、50mmを使うことで、iPhone写真と差別化できる。使い分けもできる。

描写に関しては、いくら文章で云々書いても伝わらない。

どのレンズにも言えることだが、自分で使って撮ってみるのが最も手っ取り早い。ただ写真から感じるしかない。

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Leica M10-D の描写性

Depiction of Leica M10-D

カメラの描写性能はボディよりもレンズによって決まる、ということは多くの撮影者の間で異論のないことだろう。それはどのカメラでも基本的に変わらない。

ライカが他のカメラと違う点がひとつある。それはイメージセンサーに合わせて新たなレンズを開発するのではなく、レンズに合わせてイメージセンサーが開発されていることだ。

60年以上も同じマウントのレンズが支障なく使えるのは、M型レンズに合わせてセンサーがチューニングされているということが大きい。

それはM型以外のモデル、S, SL, Q, CLでも変わらず貫かれている。

M10-Dに関しては、ライカPMDのステファン・ダニエルいわく、「CCDセンサーに寄せたM9ライクなトーン」にチューニングされているらしい。

確かに吐き出されるDNGファイルは、ハイライト側の粘りが強く、シャドウもしっかり沈みコントラストが高く、ライカ特有のウォームな雰囲気をまとっているように思える。

とは言え、m9のように後処理しづらい感じでもなく、トーニング/レタッチ派にも受け入れられそうなレンジがある。

処理エンジンは Leica Maestro Ⅱ、24 x 36mm のCMOSイメージセンサーを積んでいる。

フルサイズで往来のM型のサイズ感ということが、他のメーカーには無い優位性がある。そろそろフジやリコーあたりが、あのサイズ感でフルサイズを搭載してきそうな時代だが、ライカが長い間35判でM型レンズと、フルサイズセンサーのマッチングを経験してきたところに、道具として使う安心感がある。

僕に関して言えば、レンズはもっぱらズミクロンだ。MPのフィルム時代から、50mmを愛用している。ズミクロンに関してはこちらで書きます。

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Leica M10-D の速写性

Quickness of M10-D

ライカのファインダーを覗いた写真家の友人がこう言った。

「現実よりもクリアだ」

ファインダーこそレンジファインダーの命だと言える。レンジファインダーカメラの歴史を創ってきたオリジナルなメーカーにその妥協は一切ない。それはデジタルになっても変わらない。

レンズを通した、あるいは液晶を通した像で被写体を見ることと、明度の高いガラス越しに被写体を見ることは明らかに異なる。

今でこそ、被写体と液晶画面に写る像に遅延差は無くなったものの、体験そのものが根本的に異なるものだ。

M型の撮影スタイルの大きな特長として、撮像フレームの外側まで見えることにより、フレーム外から入ってくる被写体の動きを予測して撮影できる。これはレンジファインダーでなければできないことだ。

”見えている”ということは速写を可能にする。それがライカがストリートスナップやルポルタージュに多用される理由だ。

逆にビューファインダーのように正確なフレーミングは得意ではない。その分ノーファインダーや、純粋なドキュメントにおいては明らかな効力を発揮する。

最近は全てのカメラがデジタルで写りすぎるからこそ、フレーミングや構図にある種のゆるさを取り入れるのも良いのかもしれない。

そして静かなシャッター音と、良質なシャッターフィールがある。

音と、押した感触は、撮影をする上でとても重要な要素だ。被写体が人物であれば、両者の気分にも影響を及ぼす。M10-Dの音と感触は、それが考え抜かれた上でデザインされているのがわかる。

先日、Leica M4と比べたら、ストロークはM10-Dの方が若干深めだった。好みによるが、個人的には全く問題ない。

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Leica M10-D の操作性

Operability of Leica M10-D

フルマニュアルで直感的な操作ができるのがM型ライカの大きな特徴だ。

電源を切っていても、シャッタースピード、絞り、iso、ピントと撮影に必要な要素全てを調節できる。これはフィルムカメラを使用しているような感覚を与える。そして一度この感じに慣れてしまうと、他のカメラに戻れない使いやすさがある。

そして使えば使うほど操作が習熟して、いい写真がとれるようになる。身体に馴染む、身体的とも言える。

M10-Dには液晶画面すら無い。

極限にミニマルなカメラという印象を受けるが、カメラとは本来そういうものではなかったか。

デジタルで液晶ナシというのは、最初は「バカだな〜それ使う意味ある」という失笑を自分にも向けてしまうほどだった。しかし、使っていくと、もう液晶いらないなと思うようになった。(テレビを無くしたミニマリストが、テレビなしの生活が心地よくなるように)

液晶が無いと、現場に集中できる。というより、現場に集中するしかなくなる。時間をあけてラップトップで確認することは、フィルムを現像に出してネガを確認する感覚にとても近い。

もっとデジタルに使いたければ、Wi-Fiとアプリを使えばいい。Fotosというアプリにて、撮ってすぐに現場でもカフェでも確認できる。リモート・テザリング的な使い方も可能だ。バッテリーを食うので、個人的にはおすすめはしないけど。

アナログとデジタルの融合、それがM10-Dのテーマのようだ。

設定項目もシンプルだ。

ホワイトバランスや、撮影モードの変更もアプリを通してiPhoneで行う。カメラ本体では、アナログな項目しか設定できない。逆に言えば、それだけが写真を撮るために必要な選択であると言える。

また、M10-Dには当たり前のように動画機能はない。最近のカメラは写ルンです以外は全て、動画モードがついているようなものだ。機構的にはM10と同じであるから、つけれないことは無いのだろうが、意図的に35mm写真だけを創造する原点回帰となっている。

巻き上げ型サムレストが、ホールド感を高めている。フィルムカメラのように、サムレスト自体に機能は無い。言えばただの飾りだ。

しかし、それがあると無いのとでは、グリップ感に大きな違いが出る。片手でも撮影できる。アフォーダンスのあるデザインとは、一見無駄に思える機構に宿るようだ。

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Leica M10-D の携行性

Portability of Leica M10-D

ライカM10からフィルムライカと同じサイズになっている。M10-Dでも同様のサイズ感だ。

幅・高さ・奥行きが 139mm x 80mm x 37.9

細かいが、この37.9というのはこだわりたいところなのだろう。

フィルムのMPを使ってきて、デジタルが気になってはいたが、ボテッとしたそのサイズ感が嫌で、ずっと避けてきた。今回使ってもよいと思えたのは、ついにフィルムライカと同じサイズになったというところが大きい。

富士フィルムのx100シリーズも好んで使用している。

こちらは128mm x 74mm x 53.3mmとM型ライカよりも一回り小さい。

携行の優位性は富士フィルムにあるが、M型のちょっと大きくて重いところは絶妙なバランスがある。持っていくのが少し邪魔だなというのが全く無いかと言えば嘘になる。

だけど、耐久性と信頼は遥かに高く、手に馴染むベストなグリップ感は、x100系には無いものがある。そしてフルサイズセンサーという点を考慮すれば、M10のサイズ感の良さがわかってくる。

これは何度か言及しているのだけれど、僕が持ち歩くカメラを選ぶ基準のひとつは

「肩にぶら下げたまま、飯が食えるか」

にある。

M型は食える。ビジュアル的にも。

一眼レフや、他社メーカーのフルサイズデジタルに比べるととてもコンパクト。いつも手元においておいても邪魔にならないギリギリのサイズ感と重さだと思う。

写ルンですやGRを常用している人にとっては、大きく重く感じるかもしれないけどね。

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フィルムの粒子感

leica mp

Leica MP Summicron 50m / kodak gold 400

今回はx100fではなく、フィルムライカの写真を考えてみる。

x100fのシャッター音

x100f shutter

f2 s1/60 iso400 acros

x100fのシャッター音は、とても小さい。