ワクチンを打った日

新型コロナウィルスmRNAワクチンを打ってきた。今住んでる渋谷区では案内も7月ごろ届いてもっと早く予約することもできたが、どうせ打つなら近所の行きつけの町の病院で打ちたかったのでこのタイミングとなった。

打つ打たないの議論は様々あって個人の自由であり、ここでは打つことを推奨しているわけではないことを一応明示しておく。僕の場合は現場系という仕事上の理由と、香港に早く海老ワンタン麺を食いに生きたいからという2つが主なモチベーションになっている。単純すぎるだろうか。注射は嫌いなので、打たないで済むのなら打ちたくないというのが本音。

さて、ワクチンを打った日をここに書きとどめておこう。副反応や混入物で3日後に死んだら、これが最後の日記になるのかと思うと少し力が入る。

少し曇りの火曜日だった。朝起きてルーティン的なものをして家で仕事に取りかかった。1時という予約時間は1ヶ月前から決められているので、絶対に守らなければならない。カレンダーを見ると今日は走る日だった。ゆるい感じだが、走る周期みたいなものがある。今日を逃すと周期が崩れてしまう。でもワクチンを打った後に走るのはまずいんじゃないかと思った。そんなことを色々と考えて、結局12時近くになって走りに出た。

結構心配性で、あらゆる可能性を考えてしまう。走ってシャワーを浴びて、打つ前にご飯を食べておきたいと思った。空腹で打つのはまずいんじゃないかという全く根拠の無い心配がよぎる。でもお昼を食べる時間はどう考えても無かったので、その辺にあるバナナとトマトを食べた。当日の持ち物を確認したところ、問診票が必要だったので急いで記入して家を出た。

行きつけの病院だが、待合ロビーの椅子がビニールで仕切られていて、一人づつ座れるようになっていた。いつもと違うので緊張感がある。予約は30分ごとに区切られているらしい。僕は13時の枠だった。前に座っていた人が、看護師から「次の枠の13:30からみたいなので順番前後しますね」と言われている。きっと張り切って早く到着しすぎたのだろう。打つ前に走っちゃったりしてるギリギリの僕とは真逆だ。

待ってる間、明後日の人間ドックのことを考えていた。そう明後日は健康診断なのだ。どうして嫌いな病院関係をつなげてしまったのか。まるで健康ウィークみたいじゃないか。健康診断でまた血を抜かれるのが嫌だ。というか採血が嫌いだ。せっかく今日打ったワクチンが、採血で出ていったりしないのだろうかと考えていたら、名前を呼ばれて診察室に案内された。

いつもの院長先生から説明と問診を簡単に受ける。安心感と安定感がある。コロナにかかってもここに来れば大丈夫じゃないかと思う。「お風呂は入って大丈夫です、強くこすらないでください。お酒と激しい運動は今日は控えてください」問診が終わり、最後になにか質問はありますか?と聞かれ、聞きたいことは山程ある不安な自分がいた。たとえば、この後にラーメンと半チャーハンを食べても大丈夫でしょうか、など。なにせ得体の知れないまだ全てが解明されていない人類が開発した最新型のmRNAなのだ。打った後のラーメンと半チャーハンの油が、ワクチンの成分とバッティングするかもしれない。不安だったが、早く済ませたかったので「はい、大丈夫です」と言った。

看護師が来て消毒をして、打たれる。全く痛くない。むしろ針が入ったことがわからなかった。蚊が止まって皮膚に針を刺す前に追い払えたような感じだ。インフルのワクチンもしばらく打ってないので、筋肉注射の痛みがどのようなものか忘れていた。インフルのはもっと痛かったような気がするのだが。

15分待って病院を出た。帰りにラーメンと半チャーハンを食べた。

現在23時前。副反応はいまのところない。左肩に鈍い痛みがある。そしてその痛みは次第に増しているような気もする。夕方に重めのオンラインMTGが2時間ほどあったので、そっちの副反応かもしれない。うん、確かに肩は上げにくい。

と、ここまで夜書いて、朝。シンプルに左肩が痛い。腕全体を上方部に持ち上げようとする時に痛む。上がらない、上げられない、かっぱえびせんと言いたくなるところ。昨夜よりも遥かに痛みは強くなっている。夜も寝返りが打ちづらかった。周りから聞いていた通りの症状だ。体温計は持っていないので、熱があるかはわからない。意識は鮮明だし、PCもこうやってタイプできているから多分大丈夫なのだろう。それよりも明日の健康診断だ。一試合終えて、すぐに次の大会の準備をするプロスポーツ選手みたいに。俺はいったい何をやっているんだろうと思う。

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