動画編集と写真現像の距離

動画を編集することは写真を現像することに近いと思った。僕たちは暗室でモノクロプリントをしていた時、被写体との再会を果たしていた。プリントプロセスでは被写体と三度出会う。一度目は撮影の時、二度目はフィルムロールの現像が終わってライトテーブルに乗せた時、三度目はフィルムをネガキャリアに挟んでルーペで粒子を見てピントを合わせ、印画紙に露光して焼き込みもして、現像液に紙を投入して像が浮かび上がる時。デジタルになったが意外にもそれは変わらなかった。むしろデジタルプロセスの方が被写体との再会数は増える。撮る時、背面液晶で見る時、PCで現像する時、四回目はインクジェットでプリントする時。もっとも最近はプリントしない人の方が多いので、三度という接触機会は変わらない気もする。フィルムの方が各プロセスに時間がかかるので感動が深いのかもしれない。映像は動いているが再会はあっさりしている。撮る時に出会い、編集で出会う。どこかに公開してもそれは編集時のものと同じ形態であるから、体験としては二回の再会という感じがする。動画の編集が写真の現像に近いのは、元来同じ35mmフィルムという感材を使用していたからだろう。材料は同じなのに、出来上がるもの、写真と動画では人への働きかけや意味や役割が全く変わってくるのが結構面白い。