止まない雨とヘレンメリル

春先にはいつも冷たい雨が降る。止まない雨は無いと知っておきながらも今日みたいに本当に止まないと辛い。風も強くて空から地面に降る雨は横にも降っていて街のあらゆる建物を飽和した湿度を越えて今もなお濡らし続けている。雨の日はよくHelen Merrillを聴いた。久々に朝からかける。これもまた吉祥寺の半地下の部屋を思い出させる。自分の名前がアルバム名になっている1955年の代表作「Helen Merrill」。Don’t Explainから始まる流れに説明は不要で、そういえば彼女の声は「ニューヨークのため息」なんて形容されていたんだっけ。雨の日の朝は決まってHelen Merrillを聴いてきたせいで、Helen Merrillを聴くと雨が降っている気さえするようになった。ネスカフェゴールドブレンドと、Helen Merrill。シグマという会社が出しているDP2 Merrillというカメラがあって、それも好んで使っていた。コンパクトで不思議なセンサーを積んでいてよく写るカメラだった。誰かが比較していたけれど、10年くらい前のカメラなのに、最近のカメラにも解像度は負けないらしい。何よりその色だ。色だけ見れば、Helen Merrillとは遠いところにいるように思える。夕方、友人Sが近くまで来たというので、お茶を飲みながら対話。まるで小説のような物語を抱えている彼女とそれを元に小説を書くためにインタビューしているような私。夜はキャリステニクスをして、しめじと小松菜の炊き込みご飯。10時30分に地震。速報を見ると、東京直下で震度3だった。最近揺れている。何か大きな地震の余震でないとよいのだが。夜は武田百合子の富士日記を読んだ。リーディングリストに入っている本を片っ端から読んでいくスタイルなのだが、植本一子といい西村賢太といい、なぜか最近日記ばかり続く。

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