撮影はとっくに終わっているのに現像していない写真があって、それは現像していないというよりも現像できない写真なのだがそういうことを言うと、早く仕事しなよと怒られると思いながらも、手をつけられない、どこから手をつけたら良いのか全くわからない写真群というものが存在する。雨は降ったり止んだりしていて時間は止まっているようでどうも静かで、世界中の静寂を一ヶ所に集めたような木曜日の夕刻だった。だが夕方の気配は無く、夏の気配もなかった。村上春樹的な木曜日だった。お昼の定食屋で慣れないご飯大盛りにしたせいかもしれない。夜の部屋は少し冷たくなっていて、冷房の温度を1度上げて28度にしてから寝た。
