レンズ非交換式コンパクトカメラを選ぶ理由

これまで固定焦点距離のカメラを好んで使用してきた。
最近だとLeicaQ、Fujifilm x100f、s、Sigma DP2、リコーGR。フィルムであればBig mini、Contax T2、T3。

なぜ僕がレンズ交換のできないコンパクトカメラを選ぶのか。

それには様々な理由があるが、端的に言って「レンズを交換するのが面倒だから」と言える。そして、移動が要となるスナップ写真や旅のルポルタージュにおいてはその機動性に重きを置きたいから、ということも言える。

レンズ非交換式のカメラには不思議な魅力がある。

レンズを交換できないということは、逆に言えばそれ以外にレンズを買い揃える手間や費用も必要ないという意味だ。

ライカのMシステムを始動させて、レンズ沼にハマって破産するカメラフリークをたくさん見てきた。

機構的にもレンズ交換ができないということは、ゴミの侵入を最小限に留めることができ、機種によってはメンテナスフリーを実現できる。

カメラを気にすることなく、写真や移動に集中できる。それは写真における身体性の獲得であり、視点の同一性を保持する唯一の手段であるかのようだ。

シグマや富士フィルム、そしてGRを輩出しているリコー等は、レンズとセンサーのバランスに最大限の注意を払いながら、それらのカメラを開発してきた。

レンズには個体差や時代性、それぞれに癖があり、超高解像度時代の現代においてはカメラ本体に備わっているセンサーと、交換式レンズのバランスをとることは難しい。それを安易に使いこなすことができて(バランスを読めて)こそのプロフェッショナルという見方もできなくはないが、機材の勉強に時間を費やし、それでいて撮れている写真がつまらなくては昨今のインスタグラムワールドをサヴァイブすることはできない。

無限のレンズの選択可能性がある中で、あえてそれらを最初から破棄してしまう、レンズ交換不可能なコンパクトカメラ。

新たな有限性を獲得することになる撮影者は、そのようなコンパクトカメラを使うまで自らの可能性に気づかない。

だとすれば、コンパクトカメラを使う種類のフォトグラファーは、その有限性と可能性の狭間で常に揺れ動いている存在であると言える。

LeicaQは28mm(実は24mmだというデータもある)、GRも28mm、DP2は28、45、70mm。コンタックスT2はゾナーの38mm(なんという半端さだろう)、ビッグミニは35mm。(だいたい使ってきたがシグマの70mmだけはまだ使う勇気がない)

どれも標準レンズが備わっていることも特徴だ。

標準域の中でもその差は大きく、好みはあるだろうから特にこれと言うことはできない。

ただひよこが最初に見たものを親と思うように、最初に手にした単焦点の呪縛に縛られる撮影者は案外多いように思える。

さて、最近はもっぱら中判か、極端にiphoneしか使用していないので、だんだんとコンパクトカメラが恋しくなってきた。

次の旅に備えよう。

Hong Kong 2018 ©tokimaru
Hong Kong 2018 by DP1 ©tokimaru

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