素足で精神をつなぎとめて

佐内さんはキャノン写真新世紀を受賞して静岡から東京に上京した後、写真で食えずにアルバイトで食いつなぐ日々を過ごすが、その間精神状態がおかしくなる寸前で家にある布団などを全て捨てて、しばらく”裸足”で生活していたという。裸足になることで精神をこの世界になんとか繋ぎ止めていたようで、現場にも裸足で行って驚かれていたという都市伝説のような話もある。そのような90年代の写真家像的なストーリーが好きだ。最近そういう写真家の話は聞かなくなって、どこへ行ってもコンプライアンスの話しになるからうんざりする。僕は上京した時は全て持っていて靴も履いていたけれど、今逆に裸足になっている。布団もそろそろ捨てると思う。写真はカレーライスと2020新世界地図。