銀座で人生論という写真展

朝、Twitterのアルゴリズムを解放することによって擬似web3を作り出そうとしているイーロンマスクのことを考え、今後はweb2.0のプラットフォーマーたちがいかに既得権を保持したまま非中央集権に移行するかが課題になると思った。おそらく今はその過渡期にあって、あらゆるところで様々な事象が噴出するのだろう。ちょうどiモードでミクシィの時代からゴリラガラスのiPhoneでフェイスブックへ移行した時のように。写真仕事をしてから、昼過ぎ前田洋平さんの展示を見に銀座へ。気温が30度を超えていてとても暑い日だったが、まだあの日本の夏の湿気はない。前田さんは6年くらい前に一度、写真を渋谷のボンダイカフェで見せてくれたことがある。そのカフェは今はもう無くなってしまった。関西からふらっと来てサラッと見せてくれたブックの中にあった写真はキレていて何か刺さるものがあって魅了された。その時から生活と写真が一線に繋がるような作品を制作していて記憶に残っている。個人的に仕事でもお世話になっているモデル事務所ベローナのオフィスの一部に展開された写真群は、その当時のエネルギーを保ったまま暗室のような低照度ランプに照らされて生きていた。人生論というステートメントには彼が撮るだけでなく、読んで書いて考える人だということがストレートに現れている。見る人を選ぶような個人趣味的になりがちな私写真の様相を纏いながらも、ティルマンス等の現代美術寄りの表現や35mmのポストモダン派ストリート写真の系譜をなぞっていて、見ていて個人に寄りすぎない。それはフレーミングや現像形式の自由さからもたらされるのかもしれないが、彼が商業写真として撮影している人物写真やファッションが関係しているのではないかと思った。モデル事務所の一室にありながらいわゆるザモデルが一枚も映っていない(ように見える)ことも何か既存のものに対するアンチテーゼのようだ。良い作品を見せて頂いたのに帰りにプリントとビールというお土産までいただき感謝。この一枚の写真が、何かに派生しそうな気がしていて、そわそわしている。

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