写真の日、山谷祐介さんのドラムと尾仲浩二さんのトーク

 

こんにちは、常丸です。

昨日は、写真家の友人とイベントいくつか巡ってきました。

ユカ・ツルノギャラリーで山谷祐介さんのドラムパフォーマンス

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Yusuke Yamatani at Yuka Tsuruno Gallery2018 ©Tokimaru Tanaka

山谷さんは1985年、新潟県生まれの写真家。外苑スタジオを経て、長崎で東松照明さんらに写真を学ぶ。同世代ということもありいつも刺激を受けています。

スナップ的なモダニズム写真から始まり、ライヴハウスでフォトグラム的作品や、最近は赤外線カメラで夜の家をキャプチャーする等、作品ごとに同じ作家とは思えないカラーを意図的に打ち出してきます。

今回は更に写真領域を拡張させるような、パフォーマンスを含めた身体的体験へ。

暗闇の中に、振動センサーとカメラがセットされたドラムセットがあり、周りには9台程のインクジェットプリンタが。

山谷さんが上半身ハダカで、暗闇の中でドラムを叩く度に、フラッシュが発光されシャッターが切られます。撮影された写真はすぐさま周辺のインクジェットプリンタから出力されて出てくるという仕掛け。その姿はもう雷様。ある種の神々しさを含みながら、音は継続してなっているのに、一瞬の閃光が身体の動きを止めるので、まるでモノクロ写真を3Dで見ているような不思議な感覚へ陥りました。

能動的に写真を世界として捉えるのではなく、カメラと他要素にまかせて受動的にシャッターを受容することで生まれる、セルフ・ポートレート。撮影のみならず、写真へのアプローチを考えさせられます。

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yusuke yamatani

「出てきた写真はひとり一枚お持ち帰り下さい」という太っ腹なサービス精神も。

TMMTで題府基之展

その後、Tennozu Marche Market Tokyoで開催中の題府さんの展示へ。

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Motoyuki Daifu TMMT 2018 ©Tokimaru Tanaka

マルシェの裏側でひっそりと、大判プリントが展示されていました。

題府基之さんは1985年、東京生まれの写真家。先程の山谷さんと同年齢というのは何かのシンクロか。2014年「still life」でデビューし、国内のみならず海外でも評価が高まっている写真家です。

当初からスタイルは変わらず、「見る」ということについて考えさせられる作品。日常のありふれたものを撮っているのに、写真にすると異なる意味合いを帯びてきます。それは見れば見るほどに、ドキュメンタリーなのかセットアップなのかを考えさせられ、境界は融和し、さらに物質が放つ創造性や物語性に意識を解放させうる力を持っています。

尾仲浩二さんと瀬戸正人さんのトークセッション

その後新宿、「思い出横丁」でビアぎめした後、PlaceMへ。

予習か予兆か、「思い出横丁」の写真も展示されている尾仲浩二さんの「あの頃、新宿で 80s Shinjuku」という写真展です。

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Koji Onaka and Masato Seto at PlaceM 2018 ©Tokimaru Tanaka

オーナーの瀬戸さんとのトークセッション。若手から大御所まで毎回ゲストを呼んで開催されるこのイベントは、録画・映像化されアーカイヴされる瀬戸さんのひとつのプロジェクトでもあります。SHOW STUDIOのニック・ナイトという写真家も同じようなことをやっていますよね。

この日もギャラリーは満席でした。

尾仲さんと瀬戸さんは両者とも森山大道さんの弟子であり、70年代頃から「自主ギャラリー」ムーブメントと共に、日本の写真会を牽引したいわばレジェンド。そのようなお二方の話を生で眼の前で聴けるというのは、いちカメラマンとして、写真ファンとしてたまらないことであります。尾仲さんは「街道」、瀬戸さんは「PlaceM」というギャラリーを運営しています。その上の世代に森山大道、中平卓馬、深瀬昌久、荒木経惟さんらがいて、同時代に新宿で無茶苦茶生きていた頃の話を聞くことができました。

今はネットにより海外の写真の情報が入ってくるようになった為、外の動向に影響を受け、日本の写真もポストモダンとコンテンポラリー要素の入ったものが席巻しています。しかし、日本で写真をする以上、尾仲さんや瀬戸さんたちが築いたモダニズムの時代を避けては通れないのだと思います。先に述べた山谷さん含め、今の時代の若手写真家は、必ずその時代の引用がある部分で見られると思います。

「どこへいってもいいし、何を撮ってもいい。写真は撮れる」

写真の表面的なやさしさとは裏腹に、当時の生活環境の話やCAMP所属の経緯から、めちゃめちゃロックな尾仲さんの考え方やスタイルが垣間見えて面白かったです。

展示は本日8日まで。

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